国際情報

タクシー配車アプリUberは「本社・地球」で成功

Uberのようにスマホなら世界展開も可能 AFP=時事

 4月上旬に大前研一氏が上梓した『「0から1」の発想術』(小学館)が大きな反響を呼び、発売わずか1週間で増刷となった。大前氏は、「いま、新しいビジネスを生み出すチャンスは誰にでも広がっている」と語り、新ビジネスの代表格であるUberは、従来の企業とまったく違った経営システムで成功していると指摘する。

 * * *
 ビジネスを取り巻く環境は、この1~2年で激変した。それは改革や変革という言葉で表現できるような生やさしいレベルではなく、「革命」あるいは染色体の「変異」と言うべきものである。

 かつて私は、急成長を遂げたグーグルやアマゾンを従来の企業とは染色体が異なる「ゴジラ企業」と呼んだが、いま出現している21世紀型の世界最先端企業はさらに染色体が変異して形態そのものが20世紀型企業とは全く異なる。成長スピードがゴジラ企業をも凌ぐほどなのだ。

 上場していないものの、短期間で評価額が10億ドル(約1100億円)以上に急成長した企業を「ユニコーン(一角獣)企業」と呼ぶ。めったにお目にかかることがなく、投資家に巨額の利益をもたらす可能性がある夢のような企業だからそう呼ばれるが、珍しいはずのユニコーン企業がこのところ急激に増え、世界で少なくとも140社くらいあるとされる。

 代表的な例は、スマートフォンのアプリを使ったタクシー・ハイヤー配車サービス「ウーバー(Uber)」だ。創業後わずか5年でグローバル化して推定時価総額が5兆円を超えた同社には、従来の企業のような組織や経営システムの概念は存在しない。生まれた時から“本社・地球”である。

 つまり、最初から「タックス・プランニング」(法人税の仕組み、特徴、計算方法などから合法的な節税計画を立てること)を全地球ベースで行い、法人税を最も軽減するためにはどうすればよいか、という観点から会社の仕組みを構築している。

 サンフランシスコで創業した会社だが、アメリカは法人税率が39%で世界一高いため、法人税率25%のオランダに世界の事業を統括する本社を置き、それにタックス・ヘイブンのバーミューダを組み合わせて節税しているのだ。

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の判決は執行猶予付きに(画像はイメージ、Getty)
「何もついてない、まっさらな状態で抱きしめたかった」呼吸器に繋がれた医療的ケア児の娘(7)を殺害した母(45)が語った「犯行時の心情」【執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト