ビジネス

地震保険は持ち家なら「1等地」認定の場所でも絶対入るべき

地震保険に入るべき人は?(写真:アフロ)

 熊本地震を受け、地震保険への加入の問い合わせが相次いでいるという。さらに、2017年1月の保険料改訂によって、全国平均で保険料が5.1%値上げになる点も、地震保険への注目が集まる一因となっている。

 しかし、かけこみ加入をすべきなのかどうかについては、一概にいえないようだ。ファイナンシャルプランナーの清水香さんはこう語る。

「2017年以降、保険料が上がる人は今年中に入ったほうがトクするかもしれませんが、実は保険料が下がる地域もありますし、5年契約では割引もあります。地震リスクは上昇しており今後も保険料はアップする見込み。いつ入ったらトクか、ではなく確実に契約を続けることが大切です」

 また、今回変更されるのは保険料だけではない。損害区分が3区分から全損(100%)、大半損(60%)、小半損(30%)、一部損(5%)の4区分となるほか、各都道府県の地震による被災リスクを3区分(1等地、2等地、3等地)に分けた等地区分も変更される。

 家住宅が密集し大地震が起きると多数の世帯に被害が発生すると予想される地域や、南海トラフ地震が起こった時に大きな被害をこうむると予測される地域は「3等地」として高い保険料を払うことになる。例えば、東京、神奈川、千葉、埼玉などは3等地。東日本大震災で大きな被害が出た、福島、宮城などは2等地とされている。

 具体的な疑問をぶつけてみよう。「京都に持ち家に住んでいるが、最も安全な1等地だし、地震保険には加入しなくてもいいのではないか?」

 答えは、「等地に限らず、持ち家のかたは絶対入ったほうがいい」と清水さん。実は、今回大きな地震があった熊本も同じく「1等地」に選ばれていた。

 つまり、日本中どこにいても大地震は起きうるというのは大前提。その上で気にしなければいけないのは “持ち家である”“ローンが残っている”“貯蓄が100万円以下”“身を寄せる先がない”の4項目。1つでも当てはまったら、絶対に加入すべきだ。

「いちばん必要なのは、住宅を買って間もない人です。残債があるにもかかわらず手元にほとんどお金がない状態。買ったばかりの家が倒壊すると借金だけが残るといういちばん悲惨な状態になります。実際、阪神・淡路でも東日本でも、そういったかたが続出しました」(清水さん以下「」内同)

 地震保険の必要性の高さは、住宅ローンなどの負債総額と被災後に残るお金を予測し比べるとよい。

「東日本大震災で被災者に支給された被災者生活再建支援金は、家の建て直しで200万円、建て直さなければ100万円です。生活再建に充分な金額ではありませんが、失った家の住宅ローンが残ればマイナスからのスタートとなり、生活再建は厳しくなります」

※女性セブン2016年6月16日号

関連記事

トピックス

東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン