モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(54)が、故障するのではと心配されがちな中古の激安ベンツについて解説する。
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ご同輩諸君。先日取材の際、メルセデスベンツの新型SUV「GLC」に美熟女を乗せる機会があった。
GLCは、CクラスをベースにしたSUV。Cクラスはかつて「小ベンツ」と言われた190Eを源に持ち、ベンツの中では小型の「はず」だが、その姿はまるでお相撲さんのように堂々と見える。
それもそのはず、GLCの全幅は189cmもある。日本が誇る最高級セダン、レクサス・LSでも187.5cm。それより幅が広くて背もグンと高いのだから、デカく見えるのも当然だ。それでいてこのGLC、値段が驚くほど安い。たったの628万円から買えるのだ。
「フザケンナ! そんな高いクルマ買えるか!」
諸兄の怒りの声が聞こえてきそうだ。ならば中古車しかあるまい。
「冗談じゃない! ベンツの中古車なんて故障するに決まってる!」
世間一般のそういった思い込みは依然として強いようだ。が、私は断言する。「10年落ち以内の中古ベンツなら、95%ぐらいは大丈夫」だと。
かつての悪徳ベンツ屋は、いまどうしているのかというと、意外と多くが生き残っている。そこで修業した営業マンたちも独立し店を構えているが、商売のやり方はかなり改めている。昔のようなオトリ商法(存在しないオトリの激安車を広告掲載して客を寄せ、高い他車を売りつける)やメーター巻き戻しなどの不正行為は、一発で炎上する。もうそんな商売はできないので、「意外とマジメにコツコツやってます」との内部証言を得ている。