芸能

朝ドラ語りの檀ふみ 実家でも作中のような家族のルールあり

『とと姉ちゃん』の語りを務める檀ふみ(同HPより)

 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。日々を大切に生きる常子を中心とした小橋家の奮闘ぶりが描かれるが、そんな一家を“声”で温かく見守っているのが「語り」を務める檀ふみさんだ。

 いち早く台本を読んでいるナレーションの担当として、また、いち視聴者としても、毎日その放送を楽しみにしているという檀さん。そんな檀さんが考える『とと姉ちゃん』の魅力はどこにあるのだろう。

 * * *
 『とと姉ちゃん』はとにかく脚本がものすごく面白い。最初に脚本を拝読した時も、次の展開が気になって仕方がないくらいでした。ヒロインの常子をはじめとして、描かれているキャラクターがみんなとっても素敵なんです。

 だから脚本を読みながら、みなさんのいろんな役を自分でもやって楽しんでいる感じですね。印象に残っているのは、大地真央さん演じる青柳商店の女将さん・滝子の「客が木曽檜と言ったら、木曽檜を渡さなきゃダメなんだ」というセリフ。これ、早口言葉のようで難しくて私は言えないかもと思っていたんですが、後で演出家のかたに伺ったら「大地さんは難なくおっしゃっていましたよ」と。さすがというか、私はまだまだ修業が足りないなと(笑い)。

 とくに惹かれるのは、「とと」と「かか」の“家族の作り方”です。小橋家には「朝の食事は家族全員でとる」「自分の服は自分で畳む」「月に一度、家族全員でお出かけをする」という家訓があり、それらを守りながら何気ない日常を一瞬一瞬、楽しんで生きている。決して豊かではないけれど言葉遣いはきれいだし、非常にしつけがよくて、玄関でもちゃんと振り向いて下駄を揃え直すということが受け継がれている。そういうところがとても素敵ですね。

 実は私が幼い頃、わが家にも似たようなルールがありました。「父がいる時は家族全員で食事をとる」「食事の途中で席を立たない」「ニコニコ楽しく残さず食べる」。父もよく料理をしましたが、使うのは私の嫌いな食材ばかりだったので、最後の家訓はちょっと拷問のようでしたけど(笑い)。

 私に限らず、『とと姉ちゃん』を見ながら、自分と小橋家の家族の誰かを重ねている人も多いのではないでしょうか。「自分は常子だ」と感じる人もいるだろうし、直情径行の姉を引き留める役回りの次女・鞠子の人も、マイペースの三女・美子タイプもいる。誰もが家族の姿に共感できるドラマだと思います。

 実際の放送は、私、朝寝坊なので(苦笑)、昼か夜の放送には必ず見ています。ナレーションのチェックというよりは、どんな物語になっているのかが楽しみで。わくわくしながら見ています。

 ナレーションのない回もあるんですが、実をいうと、そういう回のほうが面白いんです。大変な事件や出来事があるとナレーションがいらなくなるからです。いちばん緊迫した部分に出番がないというのは、ちょっと残念でもありますけど。

※女性セブン2016年6月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン