金で固められた豪邸、まばゆい内装の自家用ジェット、デコレーションされたオリジナルベンツ……。かつてイギリスの歴史家、トーマス・フラーは「金持ちの快楽は、貧乏人の涙によってもたらされる」と記した。とすれば、これは貧しき者たちの涙の塊だろうか。パナマ文書によって、改めて世界における富の偏在の問題が明らかになった。その片方の極み、富める者たちの生活から我々は何を考えるべきだろうか。
美術館、タイレストラン、ディスコ、モダンアートデザインスタジオを所有しているスイスの実業家、ウエリ・アンリカー氏の車が10億円の価格で売り出された。
豪華なメルセデスベンツ「SLRマクラーレン 999 RED GOLD DREAM」。SLRマクラーレン自体6000万円もするスーパーカーだが、アンリカー氏は5kgの金でパーツを作成し、600個以上のルビーでデコレーションするなど、ド派手に改造した。
約6億円の改造費を注ぎ込み、かかった改造時間は3万時間。彼はこの改造車を自分のキャリアにおける最高傑作だと豪語している。
※SAPIO2016年7月号