大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
大分県中部に位置する日出町(ひじまち)。人口およそ2万8000人の小さな港町における“イスラム墓地建設”をめぐる議論が話題となっている。
きっかけは11月18日、日出町に隣接する杵築(きつき)市選出の阿部長夫県議と自民党杵築市市議団が、厚生労働省の仁木博文副大臣と内閣府の鈴木隼人副大臣、さらに小林鷹之自民党政調会長へ「ムスリム墓地に関する国の対応を求める要望書」を提出したことだ。
このとき、付き添いとして同行したのが同県出身の岩屋毅前外相(68)。数年前から“イスラム墓地建設”の議論に携わってきた岩屋氏本人が、NEWSポストセブンの取材に対して見解を明らかにした。【前後編の前編】
大分県の「別府ムスリム教会」は、2018年から日出町にイスラム教徒土葬墓地を設置する計画を進めてきた。教会は地域住民らに対して説明会を複数回行うなど理解を求めたが、2020年末に町議会で「反対陳情」が採択。
2023年には教会と町が「地下水質検査を年1回実施」などの条件付きで、新たな町有地において墓地設置を進めるとした協定を結び、議論が着地するかに思われた。
潮目が変わったのは昨年のことだ。
〈選挙の結果から、日出町には土葬墓地は必要ないという民意が示されたと考えています。日出町は、民意に従い、本件土葬墓地の開設計画の前提である町有地の売却をしないという判断をいたしました〉(日出町のホームページより。原文ママ)
日出町の町長選挙で“土葬墓地計画の見直し”を訴えた安部徹也・現町長が当選。安倍町長は当選後初の教会側との面会で、はっきり「土地は売却しない」とも伝えている。
土葬墓地建設計画が頓挫する中で議題にあげられたのが先の「要望書」だ。国に土葬問題の対応を求めるに至るまで、どんな背景があったのか。岩屋氏本人が語る。
