コメダの成功モデルが確立して以降、「星乃珈琲店」(ドトール・日レスホールディングス)、「むさしの森珈琲」(すかいらーく)、「ミヤマ珈琲」(銀座ルノアール)など、類似スタイルの喫茶チェーンは雨後の筍のごとく増え続けている。
市場調査会社・富士経済の調べでも、コメダが先鞭をつけた〈ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店〉は、2008年に617億円だった市場規模が、2016年には倍以上の1286億円にまで膨らむ予測だ。
コメダは2020年までに国内外1000店の目標を立てている。上場で資金調達がしやすくなるとはいえ、ここまで競合が増える中、拡大路線を続けることができるのか。
「近年のコメダは郊外型の路面店から、駅近で空きビルの空中階に入るなど都心部にも果敢に進出しています。意外にも学生がサークルの会合で使ったり、若い主婦が子連れでママ友会を開いたりと、これまでの客層とは違った人たちにも人気です。
ただ、国内のコーヒーチェーンは新旧あらゆる業態が入り乱れて飽和状態になりつつあるので、1000店の大台は容易ではないでしょう。今年4月に中国・上海で海外初の店舗を出したように、上場後は日本の喫茶店文化を海外に“輸出”する事業に力を入れていくと思います。いま、海外ビジネスに強い専門人材が世界中を飛び回っていると聞きます」(佐藤氏)
国内で不変の「コメダスタイル」は果たして海外でも通用するのか。新しい株主にとっても注目の的となりそうだ。