「ひとつの要因は20~64才の働き世代の健康状態がよくないからだと考えています。急性心筋梗塞、脳血管疾患、脳内出血、肝疾患を原因とする死亡率が他県に比べてかなり悪い。特に40~59才の男性は顕著です。これらの病気は致死性が高くて、命をとりとめたとしても、その後障害が残って介護が必要になるなど、健康寿命に影響を与えるでしょう」
心筋梗塞、脳血管疾患などといえば、生活習慣病と関係している。平成22年国民健康・栄養調査によると肥満者の割合は沖縄が45.2%で全国トップ。家計調査(2人以上の世帯、年間)を見ていくと、その理由が浮かび上がる。
例えば、那覇市の生鮮魚介にかける金額は2万6951円で全国平均4万5775円を大きく下回る。物価が安いことを差し引いてもかなり低い。また、生鮮野菜の消費量は約142kgで、1位の新潟市(約219kg)と大きく差がひらく。その他、豆類、生鮮果物など健康によさそうな項目の消費量はいずれも最下位。
前出・金城さんは「沖縄の伝統料理は最近食べなくなった」と話す。
「ニンジンシリシリとか、ゴーヤーとか昔は食べていたけれど、居酒屋もコンビニも増えて外食が多くなって、濃い味に慣れたね。沖縄料理に手をつけんようになったよ」
外食費を比較すると、うどん、そば、寿司、和食などはいずれも最下位だが、ハンバーガーの外食費は年間5402円で全国平均の約1.5倍で1位。ベーコンも年間2kgを消費し全国1位。ちなみに油脂、食用油でも金額・消費量ともに全国1位となっている。
※女性セブン2016年7月14日号