金言4:「子どものときしっかり子どもをすると、しっかりした大人になる」
育ちと危なさは紙一重。例えば、高いところからのジャンプなど、子どもは危ないことが大好き。少し高いところからの景色を見たいという気持ち、そして飛び降りる快感を味わいたいからだ。この快感は脳への刺激でもある。つまり、子ども自身で脳を刺激し、育てているのだ。公園に行ったときなど、気が済むまで少し高いところからジャンプさせてはどうだろう。なんでも禁止するのではなく、子どものときにしっかり子どもをしたほうがきちんとした大人になる、そんな気持ちで見守りたいものだ。
金言5:「子ども同士のケンカは子どもに任せる」
園ではよほどのことがない限り、ケンカの始末は子どもたちに任せている。ほんとうに困ったときは大人が出ていくが、たいていは見守る。異年齢クラスなので、小さい子は大きい子に従い、ケンカがはじまると年長の子がうまくおさめる。そうやってだんだんと子どもの自治が育ってくるのだ。
これらの金言がつまった単行本『ふじようちえんのひみつ』(小学館)が発売中だ。アイディアマンであり型破りな園長先生・加藤積一氏による、はじめての著書。楕円形の園舎ストーリーやふじようちえん式モンテッソーリ教育など、子育てで大切なことが一冊にまとまっている。
【プロフィール】
加藤積一(かとう・せきいち)/1957年東京都立川市生まれ。法政大学社会学部卒業。一般企業勤務から会社経営を経て、「ふじようちえん」園長に就任。多くの社会経験と子をもつ親としての目線で、幼児教育の重要性を伝えている。東京都認証保育所「スマイルエッグス」、託児所「スマイルキッズ」も経営している。
撮影/片村文人