涼やかなブルーのスーツに身を包んだディーン・フジオカ(35才)が颯爽と現れた瞬間、その場の空気がパァッと華やいだ。麗しい微笑みには、普段からイケメンを撮り慣れているカメラマンからも思わずため息──。
東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて8月9日から始まる『ピーターラビット展』のオフィシャルサポーターを務めるおディーン様。本展では音声ガイドのナビゲーターとして、英語を交えながら、作者の足跡や創作の息吹を紹介。ナビゲーターを務めるにあたり、作者のビアトリクス・ポターが愛した英国・湖水地方へ足を運び、その世界観を肌で感じてきたと話す。
「世界中で愛されている作品ですが、湖水地方には特に日本からの観光客が多いそうです。雨ばかりが続くと気が滅入るけれど、太陽がふと雲間から顔を出せば、一瞬でのどかな美しい自然が映しだされる。まるで日本の田園風景を見ているようなノスタルジーを覚えました」
女性が社会で活躍するのが困難を極めた時代に、強い意志で路を切り開いた作者の人生にもフォーカスする本展。そのたくましさは、かつてNHK連続テレビ小説『あさが来た』で“五代さま”を見守り続けた、あさの姿とも重なる。
「そうなんです。何かを新しく始めようとする時に自分を動かすのは、純粋な好奇心や内から湧き出るパッションなんでしょうね。そうしたピュアな初期衝動はすごく共通している。作者はかつて、“無垢な子供心や好奇心が大人になった自分と上手にハーモニーしている状況ほど、幸せなことはない”といったことを語っていて、そこはぼく自身とても共感できた。音楽や芝居など、何かを表現する時にそのパッションを持てるかどうかは、とても大事なので」
パッションという言葉を何度も何度も、熱く口にしたおディーン様。彼にとってパッションを突き動かすものは何かと尋ねると、「家族」と返ってきた。
「原動力としては子供たちですね。自分にとって、家族がいるというのはひとつのコア。次世代へ目を向けるようになったのも父親になってからです」
自然保護運動の先駆者であり、農業経営者としても活躍した作者の足跡に触れ、「後世に何かを残せるのか、人の人生において考えなくてはならない」との思いを強くしたという。今回の大役を“タイムカプセル”と語ったおディーン様の瞳は、まっすぐに未来を見つめていた。
◆『ピーターラビット展』
世界中の人々を今なお魅了し続ける「ピーターラビット」の世界。その愛すべき主人公たちの生みの親、ビアトリクス・ポターの生誕150年を記念して、8月9日(火)~10月11日(火)、東京Bunkamuraザ・ミュージアムを皮切りに全国を巡回する大規模な原画展を日本で初めて開催。本展のオフィシャルサポーターをおディーン様が務めます。
撮影■木村直軌
※女性セブン2016年8月18・25日号