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前橋育英の怒らない監督 「ずっと甘いと言われてきた」

「常に調子がいい選手なんていないから、試合によってはいい時もあれば、悪い時もある。そこをどう上げるかが指導者の仕事なのに、たまにね、『あいつは最近ダメだから干しているんだ』と言う人もいるんです。おかしいでしょ、干すのは洗濯物と柿ぐらいなんだから」

 1999年にコーチ就任、2002年に監督となってから、優勝候補に挙げられながら、なかなか甲子園出場には届かず、荒井監督の指導方針や姿勢を「甘い」と批判する声も少なくなかった。いいチームだからといって、勝てるとは限らないんだぞ。挨拶や靴を揃えること、近隣のゴミ拾いをすることが、野球と何の関係があるんだ。そう言われたことも、一度や二度ではない。

 だがそれでも荒井監督はブレなかった。

「お前はダメだ、と言われても全然構わない。でもね、みんなに応援されるようないいチームで、勝ちたい、という思いはずっとありました」

 コツコツと地道な練習を積み重ね、たどり着いた、2013年夏の初出場初優勝という快挙。そして、3年の時を経て、再び甲子園へ戻ることができた。

「野球人としては、特別な場所。ウチは変わらず特別なことは何もないけれど、一生懸命、1つでも多く校歌を歌えるように頑張ります」

 二度目の夏、前橋育英がどんな戦いを見せるのか。初戦は8月11日の第3試合、沖縄県代表の嘉手納高校と対戦する。

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