ささいな習慣や日常の小さな選択が「寿命格差」を生むという。一見、健康とは関係のなさそうな事柄が「寿命」に影響することがわかってきた。どちらが「長生き」できるのか、比較してみた。
◆「男子校」と「男女共学校」。 短命なのはどっち?
結論からいうと、「男子校」。65歳以下で亡くなる可能性が、共学校出身者より高かった。
米ハーバード大などの研究によると、男子校出身者は女性と出会う機会が少ないため未婚率が高かった。また、数少ない女性を奪い合う機会が多いせいでストレスが増え、後々の健康に悪影響を与えるとみられる。ちなみに、女子校出身者と共学校出身者に差はなかった。
◆東京都足立区の健康寿命(日常生活に制限なく過ごせる期間)は都平均より短い?
東京都足立区の調査により、同区の「平均寿命」「健康寿命」は国や都の平均より約2歳短いことがわかった。
東京都の平均寿命は男性79.88歳、女性86.43歳に対し、足立区の平均寿命は男性77.98歳で女性84.61歳。健康寿命を比べると、東京都は男性78.33歳、女性82.98歳に対し、足立区は男性76.36歳、女性81.04歳。
同区は「糖尿病に関わる医療費」が23区で最も多いことから、偏った食生活が引き起こす糖尿病が区民の健康寿命を縮める最大の阻害要因であるとして、野菜摂取などを推奨する区独自の「糖尿病対策アクションプラン」を進めている。
◆「貧しい人」が多い地域では「お金持ち」も早死にするって本当?
米ハーバード大のイチロー・カワチ教授らの調査によると、所得格差が大きい地域では低所得者同様、高所得者の寿命も短いことがわかった。
低所得者が増えると治安が悪化し、高所得者が屋外に出て運動できなくなり、身の安全も気遣わなくてはならないため余計なストレスがかかるという。
※SAPIO2016年9月号