「下肢静脈瘤には4つのタイプがあり、静脈の深さや太さが違うため、皮膚への表れ方も異なります」
4タイプの中の側枝静脈瘤、網目状静脈瘤、くもの巣状静脈瘤の3つは、静脈が細く表皮に近いので、注射で薬を注入し、静脈をかためる硬化療法が効果的。硬くなった静脈は、自然に体内に吸収される。施術時間は約10分、金額は約5000円(保険適用)で治療が可能だ。一方、血管がボコボコ浮き出る伏在静脈瘤は、弁の壊れた静脈の逆流を防ぐ治療が必要になってくる。
「脚の静脈は深部静脈が主流なので、伏在静脈を取り除いても問題なく機能します。10年くらい前までは、脚のつけ根と膝の内側の2か所を切って静脈の中に細いワイヤーを入れ、弁が壊れた静脈ごと抜き取るストリッピング手術が主流でした」
この方法は再発率は低いが、入院が必要。また、痛みや出血を伴い、傷跡が残る可能性が高かったが、今は最新のレーザー治療がおすすめと林さん。
「細いレーザーファイバーを静脈に入れ、中から血管を焼いて閉塞させます。焼いた静脈は約半年で体内に吸収され、出血や痛みが少なく、傷跡もほとんど目立たない。さらに、日帰りで治療できます」
金額は、片足約5万円(保険適用)。以前は片足約30万円が相場だったが、レーザー治療も2011年より保険適用になり、最新治療を受けやすくなった。下肢静脈瘤は重力に逆らい、人類が二本足歩行を始めた時からの宿命だとも。
「少しでも進行を防ぐには、ふくらはぎのポンプで血液を押し上げる手助けをすることが大切です。そのためには、簡単なエクササイズで、普段からふくらはぎの筋肉をよく動かしてください。むくみ予防にもつながりますよ」
休憩時にイスに座ってバタ足をしたり、背伸びをしてふくらはぎの筋肉を動かすなども有効だという。
いつまでも美しく健やかな脚でいるためには、日々のむくみケアが大切だ。
※女性セブン2016年9月1日号