このようにズラズラと花火大会の思い出を書いていたら、単に自分が、花火好きのオメデタい野郎に思えてきましたが、実際にそうなのかもしれません。

 では、そんな花火好きのオメデタい野郎が一番オススメする花火大会をご紹介します。それは「北区花火大会」です。荒川河川敷、赤羽付近で行なわれます。まず時期が秋で、今年は10月8日、いまからでも余裕で間に合います。あまり混んでいないので、これまた最高です。

 さらに大会自体が、なんだかのんびりしていて、去年は打ち上げる場所の近くに屋形船が停泊、それがなかなかどかずに、30分以上遅れてスタート。今年は、停泊させない手段を考えて欲しいのですが。さらに音楽と合わせて打ち上げる花火もなんだかちぐはぐだったりして、とても楽しかった。人混みや、きっちりプログラムされた花火大会はもう結構という方には、とてもオススメの「北区花火大会」なのです。とにかく今年も楽しみです。

■いぬい・あきと/1971年東京都生まれ。作家。「鉄割アルバトロスケット」主宰。2008年小説家デビュー。『ひっ』『ぴんぞろ』『まずいスープ』『どろにやいと』が芥川賞候補に。『すっぽん心中』で川端賞受賞。著作『俳優・亀岡拓次』が映画化。8月24日にDVDが発売。散歩ばかりしている。

※週刊ポスト2016年9月2日号

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