国内

菅官房長官が安倍首相との出会い語る「いつか総理になる人」

菅義偉氏が語った安倍首相との出会い

“歴代最長”の官房長官として安倍晋三首相を支え続ける菅義偉氏。これまでその実像が知られることはほとんどなかったが、話題作『総理の影 菅義偉の正体』のなかで、ノンフィクション作家・森功氏によるロングインタビューに応えた菅氏は、安倍首相との出会いについて、以下のように語っている。

 * * *
――そもそも付き合いはどこからか。

「もとをたどれば、私がまだ当選二回のときでした。自民党の総務会で私が『北朝鮮に対する制裁法をつくるべきだ』と発言した。拉致問題が判明した当時、九州に不審船が入ってきて大きな問題になっていた。で、日本人を拉致した国の船(万景峰号など)が、日本の港に自由にやってきていたわけです。

 なのに、それを止める法律がなかった。自立した国として、法律をつくるべきだと党の部会で強く主張したのです。それが新聞に載り始めて、安倍さんの目にとまったのだと思います。小泉内閣当時の安倍官房副長官のときでした。『一度会いたい』という話があったんです。そこが始まりです」

  北朝鮮問題の専門家でもなく、それまで関心が高かったわけでもない菅氏が、北朝鮮に対する制裁を法制化すべきだと訴えたきっかけは、むろん小泉政権時代に北朝鮮が認めた日本人拉致問題だろう。国会議員として当然ではある。

――なぜそんなことを他の議員は考えなかったのか。

「拉致問題はおかしいというのは、政治家として誰もが思っていたと思います。しかし、それをどうやって解決するか、と考えたとき、制裁法がなかったのです。あの船が拉致の司令塔のような役割を果たしてきたという“警告本”も出ていたのに、何もしなかった。当時日本は、北朝鮮に援助するか援助しないか、という選択しかなく、制裁の方法は何もなかったんです。

 それに対して安倍さんが『菅さんの発言は正しい。だから私も実現できるよう菅さんのことを応援する』と助言していただきました。そういう付き合いのなかで、『この人の国家観はすごいな』と思いました。(安倍の)政治家としての懐の深さというか、そこに感服しました。いつか総理大臣になる人だと思いました」

※森功・著/『総理の影 菅義偉の正体』より

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン