国内

平成28年と昭和64年は驚くほどよく似ている

「それまでバブル景気に浮かれていた国民に、崩御の前後に長く続いた自粛ムードによって金融用語で言うセンチメント(市場心理)の変化が起きてしまった。

 今回、今上天皇が生前退位のお気持ちを表明されたことは、国民に強いインパクトを与えた。皇室典範改正などの微妙で時間がかかる制度見直しは国民にセンチメントの変化を促すでしょう。天皇のお気持ち表明を全国紙のなかで最も大きく取り上げたのが経済紙である日経新聞であったことは、そうした変化の始まりと見ています」

 昭和の終わりの松下幸之助氏の死と、平成の終わりの鈴木敏文氏の退任も、それぞれの時代の経済の質的変化を象徴している。

『経済界』編集局長の関慎夫氏は、1989年はそれまでの「ものづくり国家・日本」が転換点を迎えた年だったと分析する。

「大量生産でいいものを安く消費者に提供するというのが昭和の経営者である松下氏の経営哲学でした。それに対して平成の鈴木敏文氏はバイイングパワーで大量に安く商品を仕入れ、消費者のニーズを予測しながら店頭に並べるというコンビニのビジネスモデルを作り上げて店舗網を拡大させた。

 しかし、現在はコンビニの店舗数は飽和状態に達し、アマゾンなどのネット通販が主流になりつつある。1989年が『モノをつくって売る』時代の終わりなら、2016年は『店をつくって売る』時代の終わりかもしれません」

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン