現在ホームドアがまったくついていない日比谷線は、今後車両を新しいタイプのものに置き換え、その後ホームドアを設置するとの方針です。しかし時間もお金もかかりますので、各路線が日比谷線のように対応できるわけではありません」(川島さん)

 ちなみに国交省によると、ホームドアの設置にかかる費用の分担は、「基本的に国が3分の1、地方自治体が3分の1、事業者が3分の1という考え方」とのこと。

 これらの問題を解決すべく新しい取り組みも始まっている。例えば横向きに張られたロープが上下方向に動く「昇降式ホーム柵」だ。JR西日本の高槻駅がこの3月から導入している。

「ただ、ロープが上昇する際に手などがひっかかる可能性があります。そういった場合は安全装置が働いて、すぐに上昇を中止しますが、その安全装置を動作させるセンサーの精度をどのくらいにするか迷っている面もあります。よくするといつも止まってしまいますし、悪くすると安全性に問題がでます。

 また、高校生などがホーム上でそのロープを利用してプロレスごっこをするなどの問題が生じ、普及に至っていません」(川島さん)

 2020年の東京五輪に向けて、全国800駅でホームドア設置を目標にしているが、今回の一件を受けて変更はないのだろうか?

 東京メトロでは、「早期設置を目指す」というが、JR東日本は「今のところありません」とのこと。

 やはり、費用の問題もあるかもしれないが、新宿駅をはじめ各地で駅開発が続々と進められている。人を集めることを考える前に、まずは駅のホームドア設置に時間とお金をさくよう切に願う。品田さんのような悲劇を繰り返さないために――。

※女性セブン2016年9月22日号

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