「当時JAL便は熊本空港に就航していなかったこともあり、熊本では誰にも知られていないようでしたが、大人気番組のクイズダービーに出演するようになってから、地元でも声をかけられるようになりました」
いつかは大学に復学するつもりだったが、22歳を迎えたある日、芸能活動を理由にこれ以上の休学は認められないと大学側から通告を受ける。「この時に芸能界で生きていく覚悟を決めた」と語る斉藤は、女優として本格的に活動を始める。
1994年に出演した映画『東雲楼 女の乱』では第18回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど、演技派女優としての地位を確立し、豊富な知識と軽妙な話術でバラエティ番組にも出演するなど幅広く活躍してきた。間もなくデビュー35周年を迎える。
「いま思うとデビュー当時は本当に恵まれていました。でも、当時は芸能界に執着がなかったので、流されるまま仕事をこなしていたような気がします。ですから当時の写真はほとんど手元に残ってないので、このような企画で昔の写真を見られるのは本当に嬉しい。あまりに昔の自分が可愛くて、スマホの待ち受けにしていたら、友達から呆れられちゃいました(笑い)」
◆斉藤慶子(さいとう・けいこ):1961年7月14日生まれ。宮崎県出身。1982年、JAL沖縄キャンペーンガールに選ばれ芸能界入り。以後、女優として活躍し、映画『東雲楼 女の乱』では日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞したほか、NHK大河ドラマ『秀吉』、連続テレビ小説『わかば』などに出演する。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号