コラム

30代投資家 1000万円超の損失を2016年だけで2回経験

勝ち組トレーダーでも手痛い失敗

 大波乱の2016年相場だが、個人投資家たちはいかにして相場の波を乗り切り、はたまた呑み込まれてしまったのか。投資歴16年の「Akito」さん(30代)が自身のトレード体験を振り返る。

 * * *
 今年は乱高下相場が続いていますが、年初の資産1億5800万円から7月末時点で1億8900万円になり、3100万円ほど殖えています。

 昨年末から年始にかけて、スターフライヤー(9206)で4000万円稼ぐことができたので、「無理をしなければいい」という気持ちがありました。そもそも今年は「苦しい相場になる」と思っていたので、ポジションを持ちすぎないように意識していたのも功を奏しました。それでも、急落時にはオーバーポジションでキツい思いを2度ほど経験しています。

 ひとつは、2月12日に日経平均が前日比760円安と暴落した時です。当時、日経225先物ミニ(ミニ先物)を8800万円ほど買っていて、最大で1200万円のマイナスに……。大底からの反転を狙おうかと思いましたが、「まだ下がるかも」と考えると怖くて、資金の半分しか入れられませんでした。ただ、過去の暴落時のデータを調べると、あれほどの暴落だったら資金の7~8割は入れてもよかったのではないか、と反省しています。

 僕は感性でトレードするのではなく、過去のデータを調べて期待値の高いほうに張り続けるよう心がけています。「日経平均がここまで下がったら、この銘柄をこれくらい買う」というように、平常時に細かく決めておくべきだったんです。それをしないと、暴落時に右往左往するだけ。完全に準備不足でしたね。

 2度目の地獄は、ブレグジットの国民投票で市場が暴落した6月24日です。残留との楽観的な見方から、前日まで強かったんですよね。でも、「さすがにこんなに上がったら、どちらの結果にしても下がるだろう」と思って、ミニ先物を150枚、金額にして2億円以上売っていたんです。実際、離脱派が優勢になって日経平均が崩れ始めたら徐々に利益確定して、90万円くらいのプラスでした。

 ただ、今度は「さすがに下がりすぎだろう」と思って、買いに転じたのが失敗でした。離脱がほぼ確定的になったらどんどん下がって、そのたびに買い増し。大底のときにはミニ先物250枚くらい持っていて、最大1000万円超のマイナスでした……。

 今年トータルではプラスとなっていますが、半年で1000万円超のマイナスを2回も食らったことは、痛い経験です。

【PROFILE】東京都在住。7月末時点の運用資産は1億8900万円。ファンダメンタルズ分析に基づくスイング投資を得意とする。そのほかにもイベントを狙ったり、デイトレや先物など、幅広いトレードをする。ツイッターは@Akito8868

※マネーポスト2016年秋号

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