スポーツ

三浦大輔 「他球団なら200勝?」の問いに「それはない」

172勝184敗で現役生活を終えた三浦大輔

 横浜一筋25年。大洋ホエールズ時代、そして1998年の日本一を知る最後の選手だった「ハマの番長」こと三浦大輔投手(42)が現役生活に別れを告げた。四半世紀にわたる「横浜愛」は美談として語られがちだが、投げても投げても勝ち星がつかない弱小球団に対して憤懣やる方ない思いを抱いた時期もあったという。

 横浜は監督の入れ替わりも激しかった。三浦が在籍した25年間で、代行監督も含めて13人もの指揮官が誕生している。ちなみに同時期の巨人は5人である。

「そんなにいましたか?(笑い)まァ、大事なのは選手ですよ。僕は監督が誰になっても使ってもらえる投手になろうと頑張ってきましたから。

 僕が残留を決めた後も、そう簡単にチームは変わらなかった。谷繁(元信/2002年にFAで中日へ)さんの後にレギュラー捕手になった鶴岡(一成/2008年にトレードで巨人へ)、相川(亮二/2009年にFAでヤクルトへ)までいなくなり、バッテリーがなかなか機能しなかったのも事実。ただ、彼らが移籍したことで若手が伸びて、チーム全体の底上げができたとも言えます。その間、ファンからは“横浜高校より弱い”とヤジられたこともあったけど、着実にチームは進歩していたんです」

 その言葉通り、今季の横浜はCS初出場を決め、ファーストステージで巨人を撃破。広島と日本シリーズ進出を争うまでに成長した。

 その広島には、三浦と同年代の黒田博樹がいる。2人は万年Bクラスのチームで孤軍奮闘してきた生え抜き投手として、比較されることも多い。

「彼はメジャーで素晴らしい成績を残している。確かに比べられることも多いけど、僕よりも上の投手ですよ。そもそも僕は他の投手と比較するのが好きじゃない。自分が決めた道を自分の責任で突き進む。それだけです」

 プロで積み重ねた勝ち星は172(184敗)。もし2008年のFA宣言時に阪神に移籍していたら、200勝を達成して名球会入りできたのではないか、という声もある。

「“たられば”は嫌い(笑い)。でも、それはないですよ。他球団に移籍していたら、もっと早く引退していた可能性もありますから。横浜にいたから25年間も投げられたんです。引退セレモニーの時、ファンの歓声を聞いて体が震えた。僕は横浜を愛していましたけど、それ以上に、横浜に、ファンに愛されていたんだと感じました。ファンがいたからこそ、ここまで投げられた。あの時、横浜に残って本当によかったと思っています」

 今季の横浜は、チケットが取れないほどの人気球団に生まれ変わった。

「出て行きたい球団」とも呼ばれた状況から、三浦が目指す「入りたい球団」へ──。その変化を見届けて、“番長”は25年間守り続けたマウンドを去る。

撮影■ヤナガワゴーッ!

※週刊ポスト2016年10月28日号

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン