黒田博樹一覧

【黒田博樹】に関するニュースを集めたページです。

落合博満監督(当時)はさまざまな采配を見せてきた(時事通信フォト)
開幕投手で相手チームを幻惑し続けた中日・落合監督
 6月19日、いよいよプロ野球が始まる。気になる開幕投手の顔ぶれは各チームの監督の公表によって、以下のように明らかになっている。 セ・リーグは、巨人・菅野智之(3年連続6回目)vs阪神・西勇輝(2年ぶり2回目)、ヤクルト・石川雅規(3年ぶり9回目)vs中日・大野雄大(3年ぶり3回目)、DeNA・今永昇太(2年連続2回目)vs広島:大瀬良大地(2年連続2回目)。パ・リーグは、楽天・則本昂大(2年ぶり6回目)vsオリックス:山岡泰輔(2年連続2回目)、西武・ザック・ニール(初)vs日本ハム・有原航平(3年ぶり2回目)、ソフトバンク・東浜巨(初)vsロッテ:石川歩(2年連続2回目)。 直前の怪我などがなければ、まずこの顔触れになりそうだ。現役で最も多く開幕投手を務めたのは、涌井秀章(西武→ロッテ→楽天)の9回。順当に行けば、ヤクルトの石川はトップに並ぶことになる。3位は、7回の岩隈久志(近鉄→楽天→メジャー→巨人)。4位タイは、6回の松坂大輔(西武→メジャー→ソフトバンク→中日→西武)、金子千尋(オリックス→日本ハム)になる。 歴代の開幕投手回数ベスト5を挙げると、1位タイは14回の金田正一(国鉄→巨人)、鈴木啓示(近鉄)、3位は13回の村田兆治(ロッテ)、4位は12回の山田久志(阪急)、5位は10回の東尾修(西武)となっている(記録は2リーグ分裂以降。以下同)。いずれも通算200勝以上の大投手だ。昨今はメジャーリーグへの移籍、3月にWBCが行われる事情もあり、金田や鈴木の14回を抜くのは困難かもしれない。 昭和の頃から開幕戦はエースに託すというイメージが強い。しかし、過去には奇策を打って出るチームもあった。最近では、2004年から中日で指揮を執った落合博満監督が3度も意外な手で相手を幻惑した。野球担当記者が話す。「最も有名なのは、就任1年目に3年間登板ゼロの川崎憲次郎を開幕投手に持ってきたことでしょう。当時の中日は山本昌、野口茂樹、川上憲伸というエース級が揃っており、誰も予想できなかった。チームメイトも、当日のロッカーで知って驚いたという逸話まであります。落合監督は正月には川崎の開幕投手を決めていたようですが、それが情報漏れしなかったことも見事です」(以下同) 川崎は2回途中5失点で降板したものの、打線が奮起し、広島のエース・黒田博樹を攻略。8対6で逆転勝ちを収めた。ルーキーや新外国人、メジャーから復帰した2003年のオリックス・吉井理人を除けば、前年登板なし投手の開幕先発は初めてだった。この奇策は他球団に落合采配を警戒させるのに十分なインパクトを与え、同年中日は5年ぶりのリーグ優勝を果たした。 翌年から2008年までの開幕投手はエースの川上憲伸と正攻法だった。その川上がアトランタ・ブレーブスへ移籍した2009年、落合監督は3年目の浅尾拓也を抜擢した。前年は全てリリーフでの登板で、先発は1年目の8月17日以来だった浅尾は8回1失点と期待に応え、チームは4対1で横浜を破った。「川上は去りましたが、吉見一起は前年に初の2桁勝利を挙げていました。先発にはチェンや中田賢一もいた。その中で、前年のセットアッパーである浅尾の起用は驚きました。浅尾は5月13日を最後にリリーフに回り、引退まで先発することはありませんでしたから、周囲には奇策に見えたでしょう」◆前年4勝以下の投手を3度開幕投手に選出 2011年には、前年4勝のネルソンに開幕を任せた。この年は春季キャンプでチェン、吉見、山本昌と投手陣に故障者が続出。誰が来るのか予想しづらい中、落合監督は開幕戦の出場選手登録に朝倉健太、岩田慎司、小笠原孝、中田賢一、ネルソン、山内壮馬というローテーション投手を全て入れた。通常、先発投手の登録は数名に絞り、リリーフや野手を補充するが、相手の横浜を幻惑する作戦を取ったのだ。開幕戦は敗れたものの、その年、中日は首位・ヤクルトとの最大10ゲーム差を逆転し、連覇を果たした。 落合監督は中日で指揮を執った2004年から8年間で、前年4勝以下の投手を3度も開幕に選んだことになる。同期間の12球団では、2008年のヤクルト・石川雅規(前年4勝)と阪神・安藤優也(前年2勝)の2人だけ。石川は前年不調に陥り、チームの最下位もあって勝ち星が伸びなかったが、2006年まで5年連続2桁勝利。安藤は前年故障で8試合の登板に終わっていたが、2005年から2年連続2桁勝利という実績があった。「落合監督は、その時々のベストを選択していく監督でした。浅尾を抜擢した2009年も、『普通に考えればそうなる。みんなキャンプ、オープン戦を見てないからな』と報道陣に話していた。つまり、“開幕戦はエースでなければならない”という固定観念を持たなかった。先入観に縛られる世間から見ると奇策のように映りますが、落合監督の中では当たり前のことなんです。 2007年、巨人とのクライマックスシリーズ初戦、レギュラーシーズンの後半戦0勝5敗だった左腕の小笠原孝を起用した時も、『奇襲でも何でもない。普通の選択』と答えています。この年の巨人は1番・高橋由伸を筆頭に、小笠原道大、李承燁、阿部慎之助と左の強打者が並んでいました」 試合中の采配はオーソドックスな印象だった落合監督だが、開幕戦での先発起用では相手を幻惑し、その試合のみならず、シーズンを通して主導権を握っていった。そして2010年、2011年と連覇した落合監督が解任された翌年、セ・リーグは予告先発制度が導入された。「予告先発はお互いにミーティングの時間も減りますし、正々堂々と戦うという大義名分もある。しかし、いかに相手の裏をかくかという心理戦は野球の醍醐味のひとつですし、そこからドラマも生まれる。最近は読み合いの風潮が薄れており、ソフトバンクのように強いチームが予想通りに日本一になる。野球は意外性のスポーツであり、想像しなかったことが起こるから面白いという面がある。今のプロ野球界では、なかなか奇策が打てませんね」 時代によってルールは変わる。これは仕方ないことかもしれないが、落合監督の作戦が今もファンの記憶に残っていることも忘れてはならない。
2020.06.16 16:00
NEWSポストセブン
本塁打数歴代4位の「ミスター赤ヘル」こと山本浩二もランクインせず(写真:時事通信フォト)
歴代プロ野球選手の人気投票、あの選手が上位に入らない理由
 12月24日、『プロ野球総選挙~レジェンド選手編~』(テレビ朝日系)が放送された。今回は、既に引退した選手のみで一番すごい選手を決めるという企画。球場に訪れていた野球ファンのみならず、プロ野球OBや監督、コーチ、現役選手にもアンケートを実施し、1万人の投票でランキング上位30人を決めた。 同番組に関して、野球担当記者はこう語る。「このような投票をすると、必ず『なぜあの選手は入ってないんだ』『恣意的に選んでいるのではないか』という意見が出てきますが、それはプロ野球が人気ある証拠です。ある程度の偏りは仕方ないですし、数十年前に活躍した選手よりも、どうしても記憶に新しい最近の選手を選んでしまう傾向がある」(以下同) 今回のベスト30のなかで、投手は10人。ベスト10に絞ると4名になる。4位の沢村栄治(巨人)、5位の野茂英雄(近鉄、ドジャースなど)、6位の金田正一(国鉄、巨人)、10位の黒田博樹(広島、ヤンキースなど)がランクインした。「日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった野茂、空前絶後の400勝を挙げた金田は別格。黒田は日米通算勝利数では野茂を上回り、歴代1位の203勝。年俸20億円のメジャーよりも、5分の1の4億円で広島に復帰し、優勝を果たしたというストーリーが記憶に新しい。そのことも、加味されたのでしょう。沢村栄治は野球史を紐解くと、必ず出てくる名前なのでファンの記憶に残っている」 歴代勝利数ベスト20のなかで、今回の企画でランクインしたのは金田、山本昌(中日)、村田兆治(ロッテ)だけ。歴代2位の米田哲也(350勝)、3位の小山正明(320勝)などは選ばれなかった。「江夏豊(16位)、稲尾和久(14位)より星野仙一(12位)の順位が上だったのも意外でした。あくまで現役時代を対象に聞いているはずですが、アンケートの回答者の中には監督時代のイメージが強く残っている人もいたのでは。現役時代の成績は、星野146勝34セーブ、江夏206勝193セーブ、稲尾276勝です。逆に言えば、星野のインパクトはそれほど強かったという証明ですし、良い意味でメディア操縦術に長けていたとも言える」 ベスト30のうち野手が20名を数えた。ファンの記憶に残りやすいのは、毎試合出場する野手のようだ。「30名中13名が巨人在籍経験のある選手だった点も注目です。その中で投手は金田、桑田真澄(20位)、江川卓(21位)の3名だけ。毎試合のようにゴールデンタイムで視聴率20%を獲っていた時代の巨人のレギュラー野手の知名度、印象度が高い証拠でしょう」 ベスト3は1位・王貞治、2位・長嶋茂雄、3位・松井秀喜と、巨人の生え抜きが独占した。「この番組を通して、人は記憶、印象で物事を判断しがちだということも分かりました。当たり前のことですが、自分の知っている範囲でしか何かを語れない。今回のベスト30には、1960年代以前に引退した選手は沢村栄治、金田正一、川上哲治、稲尾和久の4名しか入りませんでした。当時のことを知る人が少なくなってきていますから、ある程度仕方のないことかもしれません。今回のような人気投票はあくまで主観にすぎないなのです。 しかし、プロ野球には記録という客観的なデータが残っている。これが素晴らしいところ。安打数歴代4位、本塁打数歴代3位の門田博光(2566安打、567本)、本塁打数歴代4位の山本浩二(536本)などは今回、ベスト30に入りませんでしたが、功績は決して色褪せない。逆説的になりますが、この番組によって、客観的な数字を残しておくことが、いかに大切かも分かりました。歴代のプロ野球記録員の功績といっていいでしょう」 思い入れのある選手は人それぞれ。84年に及ぶ歴史を誇るプロ野球の中で、人気投票をすれば順位に批判はつきもの。その中で、放送を決断したテレビ朝日にも拍手を送るべきだろう。
2018.12.27 16:00
NEWSポストセブン
広島・丸FAで注目の「宣言残留」 ファンの声も大きな鍵に
広島・丸FAで注目の「宣言残留」 ファンの声も大きな鍵に
 FA宣言をした広島・丸佳浩の去就が注目されている。巨人とロッテが早々と獲得に名乗りを上げ、広島も「宣言残留」を容認する姿勢を見せている。過去に広島が宣言残留を認めたのは、黒田博樹、新井貴浩、大竹寛(現・巨人)の3選手のみで、いかに広島が丸残留を熱望しているかがわかる。広島をセ・リーグ3連覇に導いた立役者の1人の動向は今オフ最大の話題となっている。 FAするか注目されていた日本ハムの中田翔は宣言せずに3年契約を結ぶと報道され、西武の中村剛也は海外FA権を行使した上で残留を決めた。中村のように残留ありきのFA宣言は、制度導入2年目の1994年から何人もの選手が行なってきた。 しかし、国内球団への移籍可能性ありのFA宣言をした上で、最終的に残留した選手は過去25年でわずか5人しかいない(メジャーリーグ挑戦を志向した上で残留したケースは除く)。 FA制度導入元年の1993年オフには巨人の槙原寛己が権利を行使。宣言前、球団代表と来季の交渉を行ったものの、槙原の希望年俸1億2000万円に対して、球団は1億円の提示。毎年のようにトレード報道が出ていた槙原は複数年契約を要求するも、認められなかった。 交渉が物別れに終わったため、槙原は11月10日にFA申請用紙を郵送。すると、巨人は態度を軟化。最終的には、長嶋茂雄監督が花束を持って自宅を訪れ、槙原は残留を決意した。希望通りの年俸1億2000万円、功労金4000万円、3年の複数年契約を勝ち取った。野球担当記者が話す。「当時はドラフト終了後1週間まで所属球団との占有交渉期間とされ、その後所属球団を除く他球団との交渉が解禁されるルールとなっていたため、結局、槙原は獲得の意志を表明していた中日などとは交渉していない。しかし、巨人との話し合いが物別れに終われば、移籍していたでしょうから、槙原が宣言残留第1号です」 槙原は翌年には完全試合を達成し、12勝を挙げてチームの優勝に貢献。日本シリーズでは2つの完投勝利を挙げ、MVPに輝いた。 この後、ルールが変わり、所属チームと他球団が並行して交渉できるようになる。2002年オフには、前年近鉄を優勝に導き、この年も42本塁打、115打点と爆発した中村紀洋がFA宣言し、阪神や巨人、メジャー球団と交渉。ニューヨーク・メッツとの契約合意が報じられたが、最終的には近鉄に残留。この年には、阪神の桧山進次郎もFA宣言をしたが、他球団からのオファーはなく、結局残留している。 2003年オフには、阪神の下柳剛が「いろんな球団の評価を聞きたい」と国内のみならずメジャーリーグ挑戦も視野に入れてFA宣言。横浜が獲得に名乗りを上げ、下柳は交渉の席にも付いたが、メジャーからの具体的なオファーがなかったこともあり、阪神に残った。 中村紀洋は近鉄が2004年に消滅したことで、その後5球団を渡り歩くことになるが、桧山と下柳は阪神に引退するまで在籍。優勝も経験している。 2008年オフには、横浜の三浦大輔が球団の姿勢に疑問を抱いたこともあり、FA宣言。阪神移籍に心が揺れ動いたようだが、結果的にファンの残留を望む声にも背中を押され、横浜に残留した。「過去の例を見ると、宣言残留が成立した確率はわずかです。ただ、広島にはファンの熱意で残留させた例がある。2006年の最終戦、メジャー移籍か残留かで迷っていた黒田博樹に対して、ファンが広島市民球場のライトスタンドに〈我々は共に闘ってきた 今までもこれからも… 未来へ輝くその日まで 君が涙を流すなら 君の涙になってやる カープのエース 黒田博樹〉という横断幕を掲げた。これに心を動かされた、黒田はその年の残留を決意。翌年、ロサンゼルス・ドジャースに移籍しますが、2015年に古巣・広島に復帰。翌年にチームがリーグ優勝を果たしたことで、ファンと黒田の物語は感動を呼びました。 11月23日のファン感謝デーで、広島ファンがどれだけ丸に思いを伝えられるか。丸が残留するかどうかは、ファンの声に懸かっている面もある」(同前) 2008年、阪神移籍か横浜残留かで悩んだ三浦大輔は、ファン感謝デーで直に受けた声援によって『生涯横浜』を宣言。2016年の引退会見で、「ベイスターズファンに一言」と問われると、涙ぐみながら、言葉を絞り出した。「25年間、ご声援ありがとうござました。苦しい時、本当に助けられた。どんな時でも応援していただき、感謝しています」 FAの権利を勝ち取った丸の将来は、本人が決めるもの。ただ、ファンの残留を願う声も、選手の決断に大きな影響を与えるのも事実だろう。
2018.11.16 16:00
NEWSポストセブン
金本知憲氏の“再就職”難航 弟分・新井貴浩と明暗分かれる
金本知憲氏の“再就職”難航 弟分・新井貴浩と明暗分かれる
 プロ野球選手のセカンドキャリアは様々だ。球団職員として“再雇用”される人もいれば、まったく別の仕事に第2の人生を求めて“再就職”する人もいる。 今シーズン限りで阪神の監督を辞任した金本知憲(50)は、現役引退後の2013年からスポーツ紙2紙の専属評論家を務めた。「2紙というのは異例でした。金本の場合、現役時代に残した圧倒的な数字と人気、そして“いずれ監督になる”という将来もあったので、どちらも譲らなかった。それだけ、評論家として価値があると評価されていた」(スポーツ紙記者) いってみれば“太い客を抱える営業マン”のようなもので、長年勤めた会社(球団)を離れても働き口はいくらでもあった。 その後、2016年シーズンから監督に就任。2年目こそ2位に入ったが、今年はチームとして17年ぶりの最下位に沈んだ。その責任を取る形で金本が辞任を発表したのは10月11日だった。「辞任後、古巣のスポーツ紙が再び評論家の専属契約を結ぶと目されていましたが、そのどちらもが契約に二の足を踏んでいるようなんです。むしろ、お互い譲り合っているような……。部数が伸びず、あまり専属評論家を抱えられない事情もある。ですが、ファンから“終わった人”と見られつつある金本さんの解説では、読者の共感を得られないという計算もあるのではないか」(同前) 金本は昨年阪神との契約を3年更新していた。だが、急転直下の辞任劇となり、後任の矢野燿大新監督(49)はコーチ人事に追われた。「ファンの声を気にする球団側の働きかけが相当強かった。表向きは自ら辞めていますが、実際は解任に近い。その上、あまりに急で投げ出すような辞め方になってしまい、ファンの目にも悪く映ってしまった。それが、“再就職”にも影響している格好です」(同前) 形の上では同じようでも、その景色は5年前と大きく違っている。◆「金本さんについていく」 一方、スポーツ紙に加えテレビ各局が争奪戦を繰り広げ、“再就職難”とは無縁なのが今季限りで引退する広島の新井貴浩(41)だ。「明るいキャラクターに加え、後輩から時にいじられながらも慕われる人間性を高く評価するマスコミ関係者は多い。お茶の間はもちろん、ネット上の人気もある」(別のスポーツ紙記者) 2人のこれまでの歩みを踏まえれば、このあまりに対照的な“定年後”の姿に考えさせられるところは多い。 金本と新井は、広島、阪神で一緒にプレーし、自他共に認める“兄弟分”だった。金本は1992年に広島に入団した。4年目には24本塁打を放ち、低迷するチームで4番に座り続けた。1999年に広島に入団した新井は目立つ存在ではなかった。「お前が生きていくためには、きつい練習に耐えるしかないんじゃ」 教育係の金本はそう尻を叩き続けた。すっかりお馴染みになった新井の護摩行も、元は金本が精神修養のために行なっていたものだ。 2002年オフ、金本はFAで阪神に移籍。移籍1年目の2003年は開幕から3番に座り、阪神の18年ぶりのリーグ優勝の立役者になった。 後を追うように2007年オフに新井もFA権を公使し阪神へ移籍。理由は「もう一度金本さんと野球がしたい」という思いだった。「金本がホームランを打ってベンチ前でハイタッチをしていても、新井にだけ張り手といったことは日常茶飯事。選手名鑑の金本の趣味の欄に“新井いじり”と書かれたこともあった。殴られてもつねられても新井は“金本さんがいなかったら、いまの僕はない”と感謝を口にしていた。いつも“頼れるアニキ”と“落ちこぼれた子分”だった」(前出・スポーツ紙記者)◆“子分”がいつしか“兄貴分” 金本は2010年、連続フルイニング出場記録を1492試合に伸ばし、ギネス記録に認定された。通算2539安打は歴代7位だ。 一方の新井は、阪神在籍中に二度、「併殺王」という不名誉を得て、金本引退後の2014年オフに自由契約になり広島に復帰。2016年に2000安打を達成しこちらも名球会入りを果たした。 アニキと子分の野球人生は、重なり合う部分も多い。だが、現在の2人の明暗はくっきりと分かれている。「分岐点は、新井が広島に復帰したことでしょう。年俸2000万円を受け入れ、しかも、同じタイミングで黒田博樹もメジャーから帰ってきた。ファンの目には、2人が救世主のように映っていた」(担当記者) 復帰1年目は4位だったものの、翌年からリーグ3連覇。ベテランの域に入った新井はいつしか「慕われる兄貴」に変わっていた。「今の若い選手にとって、リーダーシップの在り方が変わってきたのかも知れない。かつては常識だったスパルタより、寄り添うことを求められる。それぞれ、金本と新井のイメージにぴったり重なる」(別の記者) それが、キャリアの“節目”を迎えた2人の評価の違いとなったのか。ただ、“男の人生”はまだ続く。元銀行員で作家の江上剛氏は、そこを強調した。「金本監督は、ファンやマスコミから託された“アニキ”のイメージを追い過ぎたんではないでしょうか。意気に感じるのはいいが、もっと冷徹になる必要があったと思います。ただ、今回の結果が金本監督の能力のすべてではない。捲土重来という言葉があるように、もう一度阪神の監督に返り咲いて結果を出す。それが男でしょう。 これから先の顔が大切だと思いますよ。“こんな球団で監督なんかやれるか”“頼まれても二度とやるか”と腐ったら終わり。失敗した時の振る舞いで先々が変わるのは、サラリーマンと同じです。まだ1回目。チャンスは必ずやってきます」 選手時代とは違ったかたちで評価が問われるのは新井も同じだ。元デイリースポーツの編集局長でスポーツジャーナリストの平井隆司氏がいう。「他人の悪口をいえないタイプの新井が時に厳しい目線も求められる評論家・解説者としてどれだけやれるか。いまは新鮮さがあって引っ張りだこでも、そのうち辛酸舐めた金本の評論を聞きたいコアなファンの声も出てくるかもしれない」 金本と新井。常に近くにいながら対照的な2人の男の人生は、この先どんな展開を見せるのか。(文中一部敬称略)※週刊ポスト2018年11月16日号
2018.11.06 07:00
週刊ポスト
天覧試合から60年、秘話を明かす
巨人も広島も西武も…「あの鬼門球場」で勝てない怪現象の謎
 首位広島とは5ゲーム差。敵地に乗り込んで、3タテすれば首位奪取が見えてくる。先発マスクをかぶった時の「不敗神話」をもつ宇佐見真吾(25)を“扇の要”(=捕手)に据えて、万全の状態だ──そんな巨人ファンの期待は、脆くも打ち砕かれた。 7月20日のカード初戦は山口俊(31)が先発したが2回7失点で降板。打線が奮起して延長にもち込んだが、守護神・マシソン(34)が伏兵の下水流昂(30)に逆転サヨナラ本塁打を浴びた。2戦目に先発マウンドにあがった絶対的エース・菅野智之(28)は5回までに今季ワーストの6失点と炎上し、温存していた2本柱で連敗。翌3戦目は序盤にマギー(35)、吉川尚輝(23)の一発攻勢で6点差をつけるも、徐々に詰め寄られ、7回に逆転される。丸佳浩(29)にこの日2本目の本塁打を打たれ敗戦投手となったのは、今季メジャーから10年ぶりに復帰した上原浩治(43)だった。 この3連戦で、巨人投手陣は広島に25失点。広島の本拠地・マツダスタジアムで昨年8月からシーズンをまたいで12連敗となった。同一球場での連敗としては、球団史上ワースト記録だ。 巨人はこのカードを迎える時点で2位につけていた。広島との直接対決の直前まで7連勝とチーム状態は悪くなかったはずだ。それなのに、マツダでばかり負けが込む。今季、東京ドームでの対戦では3勝3敗の五分なので、巨人にとって「鬼門」である。スポーツ紙デスクはこう言う。「確かに野球には運や巡り合わせが絡みますし、目に見えない『試合の流れ』がありますが……。“雨や風の影響だ”とか“本拠地がセ・リーグ最東端の巨人が、最西端の広島に行くだけで遠征疲れする”とかいろいろ言われますけど、ここまで続くと理屈ではなかなか説明できません」 そんな怪現象だが、“あえて巨人が勝てない理由を挙げるとすれば何か?”という問いを、巨人キラーで鳴らした広島OBの安仁屋宗八氏にぶつけた。「今年の異常ともいえる暑さでは、空調の効いたドームに慣れた巨人の選手が、屋外球場でやるのは厳しいですよ。山口も菅野も、暑さでバテバテだったからね。まあそれは夏場に限ったことだけれど、それ以外に、球場のつくりも関係しているのではないか。 マツダのマウンドは、3年前に黒田博樹が復帰した際、彼のリクエストもあってメジャー並みに固くなりました。普段他の球場を本拠地にしているピッチャーは、固いマウンドをここでしか経験しないわけだから、戸惑っている間にカープ打線が捉えるんです」 ヤクルト、巨人、阪神で4番に座った広澤克実氏はこんな言い方をする。「前提として、野球はホーム球団が圧倒的に有利です。自宅から球場に通える地の利もあるし、ロッカーや食堂も使い慣れていて落ち着いて野球ができる。試合前に特打や特守といった個別練習の時間もとれますからね。もちろん、地元ファンの声援が多いというのも大きな後押しです」 こと巨人戦においては、広島ファンの声に一層力が込められているということなのかもしれない。広澤氏はその上で、「強いチームはホームで取りこぼさない。首位の広島がマツダで負けないのは、ある種の必然」とも付け加えた。ただ、このロジックでも説明できない「鬼門」もある。◆「所沢山賊団」は“都会”で沈黙 広島は、最速で7月中にもリーグ3連覇に向けた優勝マジックが点灯する。だが、首位をひた走るその広島が唯一負け越しているのが、最下位に沈む中日(7月25日終了時点。以下同)だ。広島は今季、中日の本拠地・ナゴヤドームで開幕5連敗。オールスター直前の試合でなんとか初勝利をもぎ取った。 本塁打・打点2冠の山川穂高(26)を中心とする“山賊打線”の圧倒的な攻撃力でパ・リーグ首位に立つ西武は、今季は日本ハムと巨人を相手にした東京ドームでの計6試合では1勝5敗。しかも、完封負け2試合に、散発の2得点も2試合と、自慢の攻撃陣が沈黙してしまうのだ。 かつての常勝軍団の場合はどうだったのだろうか。「V9時代、特定の球場やチームに負けが込んだという記憶はないね。選手が相手や場所を苦手だ、鬼門だと言い出したら日本一になんてなれないし、そもそもレギュラーにだってなれないよ」 ONを擁して9連覇(1965~1973年)を達成した巨人V9戦士の黒江透修氏はそう振り返るが、数字を追いかけると、意外な事実が浮かび上がってくる。 1965年から1971年までの7年間で、巨人が負け越したのは1967年の中日と、1970年の阪神、大洋相手の3度のみと、他の追随を許さぬ圧倒的な強さを見せていた。だが、1971年から1972年のシーズンをまたいで、巨人はナゴヤ球場で9連敗を喫したのだ。1972、1973年は中日に負け越し、ついに1974年、V10目前で中日に優勝をかっさらわれた。 森祇晶氏が監督を務めた9年間(1986~1994年)でリーグ優勝8回、日本一6度を達成した西武も、1986~1988年の3年間、阪急には勝ち越せていない。阪急の本拠地・西宮球場で黒星が先行したのがその最大の理由の一つだった。前出の安仁屋氏がいう。「それぞれのケースで、色んな理由があると思いますよ。私は現役時代、甲子園はホームベースからバックネットまでの距離が遠いから、マウンドからキャッチャーまでの距離も遠く感じて、投げづらくてしょうがありませんでした。同じハズなのに、広島市民球場や川崎球場なんかはやたらキャッチャーが近く感じられました。それなのに広島から阪神に移籍してしまったから、しばらくはしんどかったですよ(笑い)」 そうした個人レベルでの球場との相性の積み重ねが、ひいてはチームにとっての鬼門につながっていくのだろうか。プロ野球のデータに詳しいジャーナリスト・広尾晃氏も首を傾げる。「チームごとに球場別の成績を調べてみましたが、法則のようなものは見つけられませんでした。リーグ優勝するようなチームでも、特定の『苦手球場』は突然現われるようです。 ドラフトやFAで各球団の実力が均等化しているはずですし、今シーズンの巨人や西武のように戦力的に大きな穴があるわけでもないチームにも苦手球場があるのは実に不思議です」 原因不明だからこそ球団関係者にとって悩みの種だ。デイリースポーツ元編集局長の平井隆司氏はこう話す。「特定の球場で負けが重なると、現場はフロントへの敗因説明が大変という話はよく聞きます。相手が先発投手のタイプによってマウンドの高さや傾斜を変えてきているんだとか、攻守で飛ぶボールを使い分けているとか、サインが盗まれているとか。挙げ句に敵地がドーム球場だと、攻守で空調をいじられているから相手はその風に乗せてホームランが打てるんだ、とか(苦笑)。そんな苦しい言い訳をしたくなるくらい厄介なんです」※週刊ポスト2018年8月10日号
2018.07.30 11:00
週刊ポスト
歴代最高投手総選挙1位の金田氏「当たり前だろうが!」
歴代最高投手総選挙1位の金田氏「当たり前だろうが!」
 テレビ朝日が1月、『プロ野球総選挙』という番組を放送したが、その結果は、投手部門の1位が今春、MLB・エンゼルスへの入団が決まった大谷翔平。打者部門の1位がイチロー。これに対して、往年のファンから異論が続出している。 長年にわたって野球を観戦してきた、ファンの熱い思いをすくい取らなければならない。そう考えた本誌・週刊ポストは、1000人を対象に愛読者アンケートや読者への聞き込み調査を実施。その結果、選ばれたのは、テレビ番組とはまったく違ったメンバーだった。投手部門の1位は誰か。 1位は、ご存じ「カネやん」こと金田正一(242票)。プロ野球史上唯一の400勝投手だけに、「14年連続20勝なんて、ありえない数字」(69・元メーカー)とファンも納得の様子だ。本人に結果を伝えると、開口一番「当たり前だろうが!」と言いつつ得意満面。「400勝とかではなく、技術、考え方、鍛え方、体のケアと、何をとってもワシの右に出るヤツはおらん。少しでもバッターの近くで投げるために、上体ではなく下半身で投げていた。 長嶋(茂雄)が“打とうとしたらボールが消えた”と言っていたが、ボールが下から浮き上がってくるんだから、打てっこないよ。鉄腕だかなんだか知らないが、稲尾(和久)なんかと比べちゃいけません。大谷? テレビはシャレでやってるんだから真に受けちゃいかんよ」 とはいえ、2位の稲尾(元西鉄・98票)が残した印象も鮮烈だ。1958年に巨人と対戦した日本シリーズでは7試合中6試合に登板。6、7戦は連投でいずれも完投勝利をあげ、3連敗の後の4連勝という逆転劇を果たした。82歳の往年のファンが言う。「1961年には78試合に登板して42勝。若いファンには想像もできない数字でしょ? 酷使がたたって選手寿命は短かったけど、今でも脳裏に焼きついている」 巨人の名遊撃手としてV9に貢献し、監督としてもヤクルト、西武を日本一に導いた広岡達朗氏も、「大谷がスピードボールを投げるといっても、金田や稲尾は速いだけじゃなくコントロールもあった。先発完投して連投もしたんだから、今の過保護なピッチャーと一緒にしてもらいたくない」とピシャリ。 3位の江川卓(巨人・84票)には、「高校時代が一番すごかった」との声が多数。「甲子園の江川だけだよ、本当の『怪物』は。なにしろバットにボールが当たらないんだから。バントさえできないような速球なんて、大谷にだって投げられないよ。高校からそのままプロに入っていれば、300勝はしたと思う」(65・自営業) 5位・江夏豊(69票)の奇跡を、デイリースポーツ元編集局長・平井隆司氏(75)が振り返る。「1971年のオールスターで記録した『9者連続三振』はもちろんですが、プロ2年目の1968年9月17日の阪神・巨人戦も忘れられない。稲尾が持っていたシーズン三振記録に並ぶ353個目を王から奪い、その後あえて打たせて取るピッチングをして、1巡した後に王から新記録となる三振を奪った。これぞミラクルですよ」 先日亡くなった星野仙一(6位・51票)、「ザトペック投法」の村山実(14位・17票)なども、ONの好敵手として記憶に残る投手たちだ。11位ながら、元南海のエース、杉浦忠(22票)の名前を挙げたパ・リーグファンも。「1959年に38勝を挙げ、巨人との日本シリーズに臨んだ杉浦は、長嶋を徹底的に抑え込み、4連投して4連勝。今でこそパ・リーグも人気があるけど、当時肩身の狭かったパ・リーグファンが、杉浦の熱投にどれだけ歓喜したことか。今のファンにはわかんないだろうなぁ」(74・元会社員) トップ20に入った選手は、いずれも大記録の持ち主だが、ファンに熱く支持された理由は、その記録を築き上げたひとつひとつの試合、プレーにドラマがあったことが大きかったようだ。そんな野球の魅力を体現してきた選手こそが、歴代最高の選手。大谷にもぜひ、そんな選手になってほしいものである。◆週刊ポスト読者が投票したプロ野球総選挙〈投手部門・上位20人〉(カッコ内は主な球団。数字は票数)1位 金田正一(国鉄、巨人)2422位 稲尾和久(西鉄)98    3位 江川卓(巨人)844位 野茂英雄(近鉄)815位 江夏豊(阪神、広島)696位 星野仙一(中日)517位 大谷翔平(日ハム)358位 沢村栄治(巨人)34    9位 村田兆治(ロッテ)2510位 田中将大(楽天)2311位 杉浦忠(南海)2212位 ダルビッシュ有(日ハム)2013位 伊藤智仁(ヤクルト)1914位 村山実(阪神)1715位 津田恒実(広島)1616位 堀内恒夫(巨人)1517位 斎藤雅樹(巨人)1318位 黒田博樹(広島)1218位 佐々木主浩(横浜)1220位 山田久志(阪急)11※週刊ポスト2018年2月16・23日号
2018.02.07 11:00
週刊ポスト
7回裏の攻撃前に歌う
カープ戦のチケット転売・買い占め問題等に球団の見解は?
 今や人気・実力ともにセ・リーグで突き抜けた存在になってきた広島カープ。しかし、ファンのマナーや球団の経営に“クレーム”が上がっている。他球団ホームなのにライトスタンドで赤いユニフォームを着て応援するカープ女子、本拠地・マツダスタジアムではカープファンがビジター席を購入し、内野自由席やコンコースに移動して観戦するなど、一部カープファンのマナーの悪さに他球団ファンから怒りの声が上がっている。過熱する人気に、往年のカープファンも不満を抱えている。 カープは1シーズン分の主催試合の全チケットを、開幕前に一括して販売している。今年は3月1日に発売されたが、ビジター席以外の指定席は全69試合分が3日で完売。 今後はインターネット上や金券ショップで高値で転売されたチケットを購入するしかない。某転売サイトでは、今シーズン最後の主催試合となる巨人戦(9月23日)の内野指定席Aが、正規料金3600円のところ2万円以上で売りに出されていた。30年来のカープファンが語る。「昔は“今晩見に行くか”という軽いノリでいけたのにな……やっとの思いでチケットを入手して中に入っても、周囲は試合そっちのけでキャッキャしている若い奴らばかり。試合を観ないなら帰ってほしい」 カープは1997年からこの販売方式を採用しているが、一昔前は現在のような事態は起きなかった。16年ぶりにAクラス入りを果たし、『カープ女子』という言葉が浸透し始めた2013年頃から人気が急騰。2015年の黒田博樹投手のカープ復帰で最高潮に達した。 以来、マツダスタジアムのチケットは開幕前にほぼ完売するようになった。購入枚数に制限がないため、転売目的で数百万円分購入する人もいる。 球団の対応が後手に回っているのは、急上昇した人気に付いていけていないからだろうか。これらの問題についてカープに問い合わせたところ、入場券部の担当者が答えた。──チケットの転売や買い占めが横行している。「非常に解決が難しい問題で……転売目的の購入は許していないし、対策も検討していますが、解決策は見出せていません。球場の外での販売(ダフ屋)に関しては取り締まっていますが、ネット上での転売を防ぐことは難しい」──ビジター席の観戦マナーについて。「去年のCSの反省を踏まえ、今シーズンはコンコースに『座り込み禁止』の表示を30か所くらい提示しています。警備員がコンコースに椅子やシートを出して座り込んでいるファンの方がいたら注意しています。ただし、コンコースでの“立ち見”は禁止できないので注意できません」 今やセ・リーグの盟主とも言える立場なのだから、多くのファンから気に入られるチームになってほしい。※週刊ポスト2017年9月15日号
2017.09.07 07:00
週刊ポスト
新井、阿部、鳥谷ら、“おじさん選手”活躍それぞれの理由
新井、阿部、鳥谷ら、“おじさん選手”活躍それぞれの理由
 散り際が美しい桜の季節が終わっても、いまだ「満開」の成績を残す男たちがいる。いずれも、“老境”にさしかかった選手たちである。今季のプロ野球の主役たちは、揃いも揃って「おじさん」ばかりだ。加齢とともに成績が残せなくなるのはスポーツ選手の宿命だが、それに抗う活躍には、彼らの若かりし頃を知るファンほど胸を熱くしてしまう。「『灯火消えんとして光を増す』という言葉があるように、ロウソクが消える寸前にパッと明るく輝くことがある。まさにそれやないですか」と、野球評論家の江本孟紀氏は拍手を送る。「僕は2桁勝てなくなったら34歳でさっさと引退しましたが、ベテランの置かれる環境は厳しい。シーズン序盤に頑張らないと、後半になればなるほど若手に出場機会を奪われる。そうしたなかで、限られたチャンスを掴んだベテランの活躍が目立っている」 その一人が広島・新井貴浩(40)だ。昨季は2000本安打を達成し、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。阪神で出場機会を減らした印象を拭い去るかのような「復活劇」は、今季も続いている。「2つ歳上の黒田博樹が引退し、チームリーダーとしての自覚が強くなった。緒方(孝市)監督には『補強はせずチーム力を底上げする。打線の中心として4番を打ってほしい』とキャンプ中に告げられたといいます。開幕から4番に座り、4月12日の試合では、チームでは衣笠祥雄以来30年ぶりとなる40歳以上での2打席連続アーチを放ちました」(スポーツ紙デスク) 不惑の4番が開幕ダッシュの功労者となった。 2012年に打率3割4分、104打点で二冠を達成、本塁打もリーグ2位の27本を放つ活躍で日本一の立役者となった巨人・阿部慎之助(38)も、近年低調だった打棒が完全復活。「このオフは自主トレに小林誠司(27)を帯同させた。後継者育成に専念するのかと思われましたが、開幕から不動の4番で三冠王も狙えるほど。今季中の2000本安打も射程圏内で、WBC帰りの小林の不調を差し引いてもおつりがくる活躍です」(巨人担当記者) 年俸は2014年シーズンの6億円から大幅に下がって今季は2億6000万円。しかし今の活躍はそのダウン分を取り戻す勢いだ。 今季中の2000本安打達成を目指すのは、阪神・鳥谷敬(35)も同じだ。プロ入り後自己最低の打率2割3分6厘と苦しんだ昨年の面影はなく、金本(知憲)監督を抜く連続試合出場歴代2位を達成。一時は首位打者に立った。「鳥谷は毎年、現役の球界最年長・井口資仁(42、ロッテ)と沖縄で自主トレをしていて、今年は走り込みを中心にかなり追い込んでいた。今季はサードでの出場機会が多いが、『北條(史也、22)とショートで勝負したい』と一歩も譲ろうとしなかった。 キャンプでは生き残りをかけて打撃フォームの改造を敢行。スタンスを狭め、下半身リードでタイミングを取ることで広角に打てるようになったと自信を深めています」(阪神担当記者) 他にも、日本球界復帰後の成績が振るわなかった中島裕之(34、オリックス)や、6年ぶりに4番に座った小谷野栄一(36、オリックス)と、全盛期を知るファンには嬉しいベテラン陣の奮起が見られる。「僕にいわせれば、新井や阿部もまだまだ老け込む歳じゃないですよ」 そう期待を寄せるのは、40歳にして44本塁打、125打点で二冠に輝いた“不惑の大砲”門田博光氏だ。「ベテランになって一番の敵は、試合に出られないこと。試合に出れば背中の筋肉も柔らかくなり、逆方向へ強い本塁打が打てるようになる。新井や鳥谷は、一時期のような代打起用ではなくなり焦りがなくなったことも大きいでしょうね」◆「もうえぇかな」と思ったら終わり 最高のスタートダッシュを切ったベテラン勢に、門田氏はこうアドバイスを送る。「何よりも気をつけないといけないのはケガと気力の衰えです。同じ箇所を何度もケガすると、『なぜこの歳まで野球をしているのか……』と、自分に囁くもう一人の自分が出てくる。僕も引退の前年まで、そんなことは考えたことがなかったが、ふいに『もうええかな』と思えてくる。そうしたら終わりやろうね」 40歳で史上最年長MVPに輝いた門田氏は4年後の44歳でユニフォームを脱いだ。一方、34歳の若さで引退した江本氏は、お馴染みの辛口でこう指摘する。「これだけベテランが活躍するのは、若手が伸びてこないことの裏返し。それに、松坂大輔(36、ソフトバンク)を見ても分かるように、打者は復活の可能性がありますが、投手は厳しいみたいだね」 投手出身の江本氏の指摘通り、松坂に加え、岩瀬仁紀(42、中日)や杉内俊哉(36、巨人)にはケガの影響が残る。ファンからすれば、彼らの「もう一花」も見たいところだが……。 ベテラン勢の大爆発はシーズン終盤まで続くのか、春先だけの「最後の一花」か。今季の楽しみを増やしてくれたことは間違いない。※週刊ポスト2017年5月5・12日号
2017.04.24 11:00
週刊ポスト
江本孟紀、金村義明、岡田彰布がプロ野球順位予測に挑む
江本孟紀、金村義明、岡田彰布がプロ野球順位予測に挑む
 プロ野球の順位予測は、いつものことながら難しい。名将・野村克也氏も「優勝は巨人。あとは……わからん」と苦笑いしながら答えるほどだ。その難問に、野球評論家の江本孟紀、金村義明、岡田彰布の3氏が挑んだ。「1位予想」の球団は、セ・巨人、パ・ソフトバンクと3氏が一致した。「両チームともブッちぎりで優勝するだけの戦力を備えている。監督の采配が少々まずくても優勝できる戦力じゃないか?」(江本氏) 岡田氏の巨人評はこうだ。「弱点だった投手陣は、FAで加入した中継ぎの森福允彦(30)の存在で大きく改善された。セ・リーグでは珍しい左サイドスローなので、左打者対策に力を発揮すれば、(FAで獲得した)山口俊(29)の出遅れを補って余りある」 ソフトバンクも巨人同様に充実の投手陣を擁する。「WBCで活躍した千賀滉大(24)を筆頭に、オープン戦で7回無安打の好投を見せた松坂大輔(36)も出番がないほど層が厚い。打撃面の悩みだった大砲も、昨年24本塁打を放ったデスパイネ(30、ロッテから)を獲得した。頭ふたつ抜けた存在です」(金村氏) 連覇を狙う日本ハムについては、各氏とも「キーマンは大谷翔平」と口を揃える。投手としては不安が残るが、金村氏はむしろ“好材料”とみる。「大谷がDHに専念すれば、本塁打、打率、打点といった打撃タイトルを獲るんじゃないか。昨年、打者のみで出場した時のチーム成績は50勝31敗2分。中田翔(27)、レアード(29)と組む中軸打線は脅威ですよ」 一方の広島は、黒田博樹の引退が響くとの予想。「黒田が投げた150イニング、10勝をどうするか。昨季は前田健太(28、ドジャース)の穴を野村祐輔(27)が埋めたが、2年連続最多勝は無理だし、打撃陣も昨年はできすぎ。各選手が昨シーズンを超えられず、チーム成績も落ちるだろう」(江本氏) もちろん、昨季日本ハム、広島の優勝を予想した人は少なかったように、野球には「一発逆転」のドラマがある。今季、奇跡を起こし得るチームはどこか。江本氏は、昨季パ・最下位のオリックスに注目する。「活躍していないので印象は薄いが、選手層は意外に厚い。シーズンが始まるとダメになる不思議な球団です(笑い)。しかし、投手陣は復活にかける金子千尋(33)、3年連続2ケタ勝利の西勇輝(26)にディクソン(32)と揃っている。今年あたりは間違って2位にくるんじゃないですか」 金村氏も、昨季セ・最下位に沈んだ中日を推す。「森新監督はセ・リーグの最高齢監督で、どこの監督よりもチームの内情を把握している。攻撃は土井正博、森脇浩司両コーチに任せて、投手出身の監督が投手陣をしっかり見れば、一発逆転もあり得ると思います」●各氏の順位予測【江本孟紀氏】セ・リーグ(1)巨人(2)阪神(3)広島(4)ヤクルト(5)DeNA(6)中日パ・リーグ(1)ソフトバンク(2)オリックス(3)日本ハム(4)ロッテ(5)楽天(6)西武【金村義明氏】セ・リーグ(1)巨人(2)広島(3)阪神(4)中日(5)ヤクルト(6)DeNAパ・リーグ(1)ソフトバンク(2)日本ハム(3)楽天(4)ロッテ(5)西武(6)オリックス【岡田彰布氏】セ・リーグ(1)巨人(2)広島(3)阪神(4)DeNA(5)ヤクルト(6)中日パ・リーグ(1)ソフトバンク(2)ロッテ(3)日本ハム(4)楽天(5)西武(6)オリックス※週刊ポスト2017年4月14日号
2017.04.06 07:00
週刊ポスト
黒田の永久欠番に異議を唱えた野村克也氏
野村克也氏 黒田の永久欠番に異議「俺を抜いてからにしろ」
 昨年25年ぶりのリーグ優勝を果たし、現役引退した広島カープの黒田博樹投手(42)の背番号「15」が永久欠番となることが決定したが、それについて、野球評論家、野村克也氏(81)が、自ら連載している2月20日発売の月刊『本の窓』(3、4月合併号)の「野村の日本プロ野球史」のなかで異議を唱えている。 広島カープでの永久欠番は“ミスター赤ヘル”こと山本浩二の「8」、“鉄人”衣笠祥雄の「3」に続く三例目。松田元オーナーは、「理由はふたつ。彼の残した成績と優勝したこと。それとお金だけではない価値観をいまの社会に示した」と話した。 また黒田は引退会見で、「話を聞いたときは鳥肌が立った。恐縮する気持ち。携わっていただいた方のお蔭。ぼく個人というよりも、皆さんの背番号かなと」と語った。このニュースを聞いた野村は、こう綴っている。「メジャー球団から年俸二十億円ともいわれるオファーを受けながらも古巣に復帰し、二十五年ぶりのリーグ優勝に貢献した“男気”が評価されたということなのだろう。とはいえ──黒田に対しては何のうらみつらみもないものの──このニュースを聞いて、正直、思った。“永久欠番も安っぽくなったなあ……”」 たしかに、日本における永久欠番は、巨人軍・沢村栄治の「14」を嚆矢に、川上哲治、金田正一、長嶋茂雄、王貞治など、黒田以前にはわずか十四人しかいない。野村は続ける。「黒田の功績にケチをつける気は毛頭ない。しかし、彼の背番号が永久欠番になるのなら、ほかになってしかるべき選手がいると思うのだ。その代表がこの私だ。おこがましさを承知で書くが、私の『19』が永久欠番になっていないのはおかしくないか?   私のほかにも、三冠王を三度も獲得した落合博満や、歴代二位の三百五十勝をあげた米田哲也、通算千六十五盗塁という空前絶後の記録を残した福本豊、川上さんと人気を二分した大下弘さん、稲尾とともに西鉄の黄金時代を築いた中西太さんもなっていない。 「永久欠番は、その球団の選手に対する価値観を象徴するものといっていい。だからこそ、私は声を大にして言いたいのだ。『永久欠番にするのは、私以上の成績を残した選手だけにせよ! 永久欠番になりたければ、おれを抜け!』」  野村は、昨年9月に出版した『野村の遺言』(小学館刊)のなかでも、「名捕手なきプロ野球界は滅びる」とキャッチャー軽視の風潮に苦言を呈して話題となったが、今回のこの発言は「第二の遺言」とも言えそうだ。
2017.02.19 16:00
NEWSポストセブン
広島の今季苦戦は必至か 主力出場のWBCも不安材料
広島の今季苦戦は必至か 主力出場のWBCも不安材料
 優勝に沸いた球団が翌年、最下位に沈む──プロ野球界では珍しい話ではない。「日本ハムは栗山英樹・監督の就任1年目(2012年)にリーグ制覇を果たしますが、翌2013年は最下位。2013年に星野(仙一)監督のもとで日本一に輝いた楽天も翌2014年は最下位でした。日ハムは糸井嘉男(35)ら主力の流出による得点力ダウン、楽天は24勝0敗という獅子奮迅の活躍を見せた田中将大(28)がヤンキースに移籍したのが原因でした」(スポーツ紙デスク) 昨シーズン、25年ぶりのリーグ優勝に沸いた緒方孝市監督率いる広島では、大黒柱・黒田博樹が引退。阪神、ロッテなどで活躍した評論家の遠山奬志氏は、今季の苦戦は必至と指摘する。「黒田の存在は本当に大きかった。黒田が登板した150イニングを誰で埋めるかで緒方監督は頭が痛いはず。去年、マエケン(前田健太)の抜けた穴を埋めた野村祐輔(27)にこれ以上は期待できない。大瀬良大地(25)や福井優也(28)の奮起が必要になるが、とにかく未知数。他球団がエース級をぶつけて潰しにくることを考えるとAクラス入りはまず無理でしょう」 と手厳しい。 加えて、球界関係者は“久しぶりの優勝が鬼門”との見方で一致する。楽天は球団創設9年目の初優勝からの最下位転落。「主力選手がオフに取材やイベントで引っ張りだこになった経験がなく、十分に休養できない」(前出のスポーツ紙デスク)のが理由とみられている。さらに、3月の野球世界一決定戦・WBCに菊池涼介(26)、鈴木誠也(22)という主力野手が出場するのも不安材料だ。「休養不足の上に早くから調子を上げるのだから、シーズン中のケガや不振につながりかねない。他のセ球団が補強に走った中、広島には戦力の積み上げもない。故障者が出れば“優勝翌年の最下位”がますます現実味を帯びてくる」(同前) 緒方監督にとっては、開幕前から心配事だらけのシーズンになりそうだが唯一の光明は野手の主力がほとんど20代と若いこと。「ポジション争いをうまく煽ることで、チームに去年以上の活力をもたらせる可能性はある」(球団関係者) 結果はどう出るか。※週刊ポスト2017年2月3日号
2017.01.27 07:00
週刊ポスト
【プロ野球順位予測】江本孟紀氏「当たる気がしませんわ」
【プロ野球順位予測】江本孟紀氏「当たる気がしませんわ」
 大谷翔平が日本ハムを日本一へと導き、セリーグでは広島が25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年のプロ野球。2017年のペナントレースはどうなるのか、どこよりも早く順位予測。辛口評論でお馴染みの江本孟紀氏は、12球団すべてに手厳しい評価を下している。いったい、来季のペナントレースはどうなってしまうのか? 江本氏が解説する。 * * * 結局ね、セもパも大混戦になると思いますよ。一応、つけろというから順位予想をしてみましたが、当たる気がしませんわ。 セリーグは「巨人が優勝!」と断言したいけど、FAで獲ったのが森福允彦(30)と山口俊(29)じゃあ勝ち星は計算できない。ついでかおまけか知りませんが、FA3人目の陽岱鋼(29)にしても、これまでの成績をよく見たらシーズンを通して3割を打ったことがない。守備固めの補強にならなければいいけどね。 これならまだ、金本阪神の機動力野球にピッタリの糸井嘉男(35)のほうが、ハマった時の怖さはある。ただ、発展途上の若手が多い戦力を冷静に見れば、糸井が加わっただけじゃ優勝は厳しい。 広島は16勝の野村祐輔(27)と15勝のジョンソン(32)に昨季以上の勝ち星は望めないでしょう。それじゃあ黒田博樹の穴を埋めようにも、ない袖は振れませんわ。 DeNAは山口が抜けたし、ラミレス監督がどんな野球をしたいかもよくわからない。貯金をどんどん献上する“横浜銀行”に逆戻りするようだと、戦力で頭一つ抜けている巨人は楽になるでしょうね。 パは目立った補強をしたのは岸孝之(32)を獲った楽天だけ。則本昴大(26)との2枚看板で先発ローテーションが固まったのは大きい。ただ、岸は西武時代も、やれ肘が痛いだの、肩に違和感だのといっては離脱していた。それが始まったらアウトですわ。九分九厘、そうなるように思いますけどね(笑い)。 辻発彦・新監督の西武は、あのメンバーでなぜ勝てないのか不思議。シーズン最多安打記録を持つ秋山翔吾(28)、本塁打・打点の二冠王だった中村剛也(33)など、タイトルホルダーがゴロゴロいて最下位争いですから、フロントがアカンのでしょうね。それだと監督が誰になっても同じ。あきまへんわ。 問題は日本ハム。球団が大谷翔平(22)のメジャー移籍を容認したことで、本人に“今季はほどほどに”という気持ちが出てくるのが怖い。腕や足がちぎれんばかりに投げたり走ったりしていたら、メジャーはケガを心配して獲らんでしょう。代理人は絶対にセーブさせようとしますよ。大谷が二刀流で他の選手の2倍頑張ったから日本一になれたのに、その大谷が手を抜いたら終わりです。 パでは一応、ソフトバンクが抜けていますが、大砲不在が弱点。先行しても相手投手に粘られてひっくり返される展開が目立った。結果、日本ハムに大逆転を許している。 2015年にトリプルスリーを記録した柳田悠岐(28)はヤクルトの山田哲人(24)のように2年連続で目を見張るような成績は残せなかったし、内川聖一(34)が4番だと得点力は心許ない。カギは外国人の主砲が獲得できるか。 ボロボロになりながらも2016年シーズン2位の巨人とソフトバンクを優勝という予想にしましたが、とにかく本命はいない。両球団がBクラスに沈む展開もあると思います。【順位予測】セリーグ/パリーグ1位:巨人/ソフトバンク2位:阪神/日本ハム3位:広島/ロッテ4位:DeNA/楽天5位:ヤクルト/西武6位:中日/オリックス※週刊ポスト増刊2017新春スペシャル
2017.01.15 16:00
週刊ポスト
【プロ野球順位予測】遠山奬志氏「巨人、SBが地力発揮」
【プロ野球順位予測】遠山奬志氏「巨人、SBが地力発揮」
 二刀流として開花した大谷翔平が日本ハムを日本一へと導き、セリーグでは広島が25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年のプロ野球。2017年のペナントレースはどうなるのか、どこよりも早く順位予測。現役時代に阪神で左の中継ぎエースとして活躍した遠山奬志氏は、今季リーグ制覇を果たした日本ハム、広島をともにBクラスと予測した。その理由とは──。 * * * 2016年シーズンのソフトバンクとヤクルトもそうだが、他チームからのマークが集中する中で連覇を成し遂げるのは簡単なことではない。広島と日本ハムはAクラスに留まるのも難しいという予想にさせてもらいました。 特にローテーションの要で、チームの精神的支柱だった黒田博樹が抜けた広島は厳しいでしょう。勝ち星の単純計算では10勝でも、黒田の投げたイニング数は150あります。その穴を誰が埋めるのか。 2016年はマエケン(前田健太)がいなくなった分の15勝を野村祐輔(27)とジョンソン(32)がカバーし、206イニングスの穴はドラフト1位の岡田明丈(23)、中継ぎのジャクソン(29)、ヘーゲンズ(27)で埋めた。 しかし、ジョンソンはある程度計算できるにしても、野村に2年連続でチームの勝ち頭になる実力が本当にあるのか。その他の若手もどこまでやれるかわからない。他球団がこぞってエース級をぶつけて潰しにくると考えれば、4位が精一杯ではないか。 広島が沈むなら私の古巣の阪神……といいたいところだが、糸井嘉男(35)の加入は評価できるものの、計算できる先発のコマが1枚も2枚も足りない。金本知憲・監督の若手起用にしても、この1年でどれだけ成長したかは見えてきていない。OBとして過大評価しても、なんとかAクラス入りできるくらいの位置。 むしろ勢いがあるのはDeNAでしょう。勝ち頭の山口俊(29)は抜けるが、今永昇太(23)、石田健太(23)、三上朋也(27)、砂田毅樹(21)ら若いピッチャーが伸びてきているし、ストッパーの山崎康晃(24)も盤石。投手陣はこの先5年は安泰に見えるし、野手も成長著しい。主砲の筒香嘉智(25)もまだ進化の途上にあるし、チームとして機動力もある。ただ、若さゆえの経験不足だけがネック。 ヤクルトは2年連続トリプルスリーの山田哲人(24)らタレント揃いだが、チームが勝ちに向かって一枚岩になれていないように思う。中日は森繁和・新監督が就任したが、選手の世代交代が遅れ、まだ優勝を狙える戦力じゃない。 そうなると消去法で、セの優勝はやはり巨人ということになる。 パも、日本ハムは2016年がいくらなんでも出来過ぎで、力を出し切った感が強い。11.5ゲーム差をひっくり返した「奇跡」の反動は必ず出て来ると思う。Bクラス転落は必至とみた。一応、ディフェンディング・チャンピオンなので4位に留めたが、実は役者が揃っている西武より下位になる可能性さえある。 優勝候補筆頭はソフトバンク。2016年ドラ1入団の高橋純平(19)の成長が著しく、選手層がさらに厚くなった。 対抗馬はロッテと楽天。ロッテはドラ1の佐々木千隼(22、桜美林大)は即戦力。侍ジャパンの壮行試合での3者連続三振は圧巻だった。楽天は岸孝之(32)の加入で投手陣が充実した。【順位予測】セリーグ/パリーグ1位:巨人/ソフトバンク2位:DeNA/ロッテ3位:阪神/楽天4位:広島/日本ハム5位:ヤクルト/西武6位:中日/オリックス※週刊ポスト増刊2017新春スペシャル
2017.01.14 16:00
週刊ポスト
【プロ野球順位予測】平松政次氏「巨人は森福効果大きい」
【プロ野球順位予測】平松政次氏「巨人は森福効果大きい」
 大谷翔平が日本ハムを日本一へと導き、セリーグでは広島が25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年のプロ野球。2017年のペナントレースはどうなるのか、どこよりも早く順位予測。カミソリシュートを武器に巨人キラーとして活躍した平松政次氏は “史上最大級”と称される大型補強を敢行した巨人に注目する。 * * * 巨人はソフトバンクで通算141HP(ホールドポイント=ホールド+救援勝利数)をあげた森福允彦(30)の加入が大きい。変則左腕は相手打者の左右に関係なく成績が残せる。陰りの見えてきた山口鉄也(33)に取って代わる活躍をすると思います。 現代のプロ野球で勝敗を左右しているのは、ストッパーよりも先発の作った流れを引き継ぐセットアッパー。パでも有数の左キラーの加入で、阪神に移籍してきた糸井嘉男(35)やDeNAの筒香嘉智(25)など各球団の左の主砲を抑え込めれば、15~20勝の上積みが見込めるといっても大袈裟ではない。 DeNAから山口俊(29)が来たのももちろん大きい。巨人打線の援護を受けながらシーズンを通してローテーションを守れれば貯金10は計算できる。新加入の投手が実力通りに働けば、独走するでしょうね。 シーズンが始まると計算通りに行かないのが常ですが、それを差し引いても巨人の優勝は揺るぎないでしょう。 古巣のDeNA? 残念ですが最下位争いが濃厚です。山口の抜けた穴が埋められていない。2016年はCSに進出したといってもシーズン成績は借金2です。そこから11勝のエースが抜けたとなると、上位進出は厳しい。ドラ1の濱口遥大(21、神奈川大)に期待したいところだが、大学最後の試合を1イニング5失点でノックアウトされている。大学生相手にそれだとプロでは苦労しますよ。 2位には阪神を挙げた。打てなかったチームにとって糸井嘉男(35)の加入は大きい。甲子園で左打者の本塁打は期待しにくいが、昨季53盗塁の足は威力を発揮すると思う。巨人を脅かすことができるとすれば阪神ぐらい。とにかく頑張ってもらわないとペナントが盛り上がらない。 広島は4位。黒田博樹の抜けた穴は昨オフのマエケン(前田健太)のメジャー移籍より大きい。精神的支柱ですからね。 CS進出に近いのはむしろ森繁和・新監督の中日。森監督はコーチ時代、自らドミニカでのウィンターリーグを視察して外国人選手をスカウトしていた。その独自ルートは侮れない。新加入の外国人選手がうまくハマればAクラス入りに現実味が出てくる。 パは選手層の厚いソフトバンク。昨季、日本ハムに大逆転を許したのは、どこかに油断があったからでしょう。森福が抜けた穴は大きいので日本ハムと実力差はさらに拮抗するが、それでもクビ差でソフトバンクが上とみています。 日本ハムがその実力差を逆転できるかは、やはり大谷翔平(22)次第。球団がメジャー移籍にGOサインを出したことで、故障を怖がって適当に流すか、それとも米移籍前年に24勝0敗という成績を残したマー君(田中将大)のように、メジャーからの評価をさらに上げにいくか。大谷の性格からいえば後者だと思うので楽しみだ。 西武の岸孝之(32)をFAで獲得した楽天は12~13勝の上積みが計算できるが、3位が精一杯。【順位予測】セリーグ/パリーグ1位:巨人/ソフトバンク2位:阪神/日本ハム3位:中日/楽天4位:広島/ロッテ5位:ヤクルト/西武6位:DeNA/オリックス※週刊ポスト増刊2017新春スペシャル
2017.01.10 16:00
週刊ポスト
【プロ野球順位予測】村上雅則氏「日ハムさらに強くなる」
【プロ野球順位予測】村上雅則氏「日ハムさらに強くなる」
 二刀流で躍動した大谷翔平が日本ハムを日本一へと導き、セリーグでは広島が25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年のプロ野球。2017年のペナントレースはどうなるのか、どこよりも早く順位予測! 日本人初のメジャーリーガー「マッシー・ムラカミ」こと村上雅則氏が注目するのは、古巣であり、MLB挑戦間近の大谷のいる日本ハムだ。 * * * 2016年シーズン、開幕から首位を独走していたソフトバンクとの11.5ゲーム差をひっくり返した日本ハム。勢いそのままに、2017年も期待できると思う。 外野の要でセンターを守る陽岱鋼(29)がFAで抜けたが、その穴を埋める選手に事欠かない。走攻守と三拍子揃った岡大海(25)を筆頭に、谷口雄也(24)、浅間大基(20)ら生きのいい若手が揃っている。巨人からトレード移籍した大田泰示(26)の存在も面白い。外野ポジションのレギュラー争いが、チームに活気をもたらすのは間違いない。 そして何よりも、ついに“本物の二刀流”になった感のある大谷翔平だ。米大リーグで、25歳未満の海外選手との契約金額に制限が設けられ、2017年オフにメジャー移籍するかは不透明になったが、球団は移籍容認を明確にしたのでモチベーションは高い。メジャー移籍の準備でローテーションを守ることを重視するのか、打撃にも重きを置くのかはわからないが、2016年の「投手で10勝、野手で22本」のラインは間違いなく超えてくる。 その日本ハムと優勝を争うのはやはりソフトバンクだろう。ただ、セットアッパー・森福允彦(30)が抜けたのは痛い。9回の頭からと決まっているクローザーよりも、得点圏にランナーを置いたピンチでマウンドに上がるセットアッパーのほうが実力が必要。森福離脱の影響で落とすゲームが増えてくるのではないか。2強状態でペナントレースが始まっても、早い時点で日本ハムが抜け出すだろう。 3位は西武からFAで岸孝之(32)を獲得した楽天。本拠地・仙台は岸の生まれ故郷だから、FA選手にありがちな阻害感もない。同じく東北(青森)出身で、ソフトバンクを戦力外になったキャッチャー、細川亨(36)を獲得したのもプラス。岸とは西武時代にバッテリーを組んでいるから、セットで活躍が望める。岸の加入は安樂智大(20)、小野郁(20)などの若手にもいい刺激を与えるはずで、2強以外の4球団のなかでは頭一つ抜け出せるだろう。 セは巨人が一歩リード。ただ、大型補強はチーム内に亀裂を生みかねない。喜怒哀楽を表に出さない指揮官である高橋由伸・監督が十分なリーダーシップを発揮してチームをまとめられるか。そこが唯一にして最大の不安材料。 巨人に迫るとすれば広島か阪神だろう。広島は常識的に考えれば黒田博樹引退で連覇は厳しくなるが、勝利の“味”を覚えた若手選手の間でいい競争が生まれれば可能性はある。 阪神は、糸井嘉男(35)の加入で金本知憲・監督が掲げる機動力野球が確実に進化する。エンドランが得点に結びつくケースが増えるなど、1年目よりだいぶ楽に戦えるはず。機動力にスランプはないのだから。 横浜は石田健大(23)や今永昇太(23)ら若手の奮起次第でAクラスもあるが、ヤクルトと中日はやや厳しい。最下位争いはこの2球団とみた。【順位予測】セリーグ/パリーグ1位:巨人/日本ハム2位:広島/ソフトバンク3位:阪神/楽天4位:DeNA/ロッテ5位:ヤクルト/西武6位:中日/オリックス※週刊ポスト増刊2017新春スペシャル
2017.01.09 16:00
週刊ポスト

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