スポーツ

箱根の山に笑いの神降臨? 早稲田の「神ってる鈴木」

箱根の山にも笑いの神が降臨か?

 近年、優勝争いから遠ざかっていた早稲田大がトップに立ち、青学大を揺さぶるも大エース・一色恭志(4年)が逆転──例年以上のドラマがあった11月6日の全日本大学駅伝。その現場で「箱根の楽しみが増えた」と明かしたのは、駅伝情報満載のサイト・「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武司氏だ。

 * * *
 早大3区の鈴木洋平(4年)がトップに1秒差の2位で襷を受け、青学大を抜いて差を14秒まで広げると、「早稲田ワンチャンあるで!」とネット上はお祭り騒ぎになった。

 鈴木の魅力は走りもさることながら「沿道を味方につける」という独特のスタイルにある。箱根と違い、出雲、全日本は区間によっては沿道の人出もまばら。特に鈴木が走った出雲4区、全日本3区は「つなぎ区間」と呼ばれる地味な区間だが、鈴木はそこを終始、笑顔で走り続け(一般的に長距離ランナーはポーカーフェイス)、沿道に手を振り、歓声を自ら求めた。

 沿道の観客は、「なんか面白いヤツが来たぞ」と大盛り上がり。観客を味方につけて地味なつなぎ区間を「洋平ロード」に変えたのだ(出雲では区間新、全日本では区間2位)。沿道に手を振る鈴木を見た、解説の渡辺康幸・前早大監督は「相楽(豊)監督に後で怒られるはず」とツッコミを入れたが、このキャラは早大の新しい“武器”だ。

 では、絶好調の人気者・鈴木を箱根でどこに配すか。つなぎ区間のスペシャリストの感もあるが、適性などを全く無視した期待として、山登りの箱根5区を笑顔で沿道に手を振り続けながら走る姿も見てみたい。「箱根の山に笑いの神が降臨!」と大盛り上がり―そんな妄想も膨らむ。本人は「早稲田の鈴木、神ってる」と呼ばれたいらしいからちょうどいいのではないか。

 早大には全日本でメンバーを外れた井戸浩貴(4年)ら実力派ランナーが他にもいる。12月に30km走を繰り返す早大伝統の「集中練習」の成果が楽しみだ。

※週刊ポスト2016年11月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン