ライフ

【晩婚考現学】42歳由美子が年収1000万円にこだわった結果

周りの反応を楽しむ余裕ができた(写真:アフロ)

 40代で結婚した女性たちの実情リポートする【晩婚考現学】シリーズ。第3回は、「年収1000万以上」の相手を目標に掲げて婚活をし、42歳で結婚した由美子の場合。晩婚化、非婚化が進むいま、40代男性の未婚率は約3割となり、女性も2割に迫ろうとしている(平成27年国勢調査速報値より)。一方で、結婚願望を抱き続ける人もいる。結婚相談所や婚活サイトの利用者は3年連続で増加しており(「婚活実態調査2016」)、「結婚」したい男女の奮闘は続いている。そんな中、40代で結婚を果たした女性たちは幸運なのか、必然なのか。結婚で得たもの、失ったものとは。

* * *
■自立して生きる女に憧れていた

 結婚前、私は「貧困女子」だったと思います。一時、派遣の仕事がなかなか見つからない上に、子宮内膜症が悪化して通院が続き、貯金はゼロになりました。食事は1日1食、500円以内に抑えていましたね。その後、派遣の仕事は見つかったのですが、手取り月21万円。4万5000円のシェアハウスに住んでいたから、生活はできていましたが、いつ仕事がなくなるかわからないし、いつ病気が悪化するかわからない。この先、結婚できなければ生きていけないと思い詰めていました。

 若い頃は、あまり結婚願望はなかったんです。親との折り合いが悪く、地元で大学を卒業した後、東京に出て来ました。成績優秀で通っていましたから、「由美子なら東京に行ってもやっていけるよ!」「故郷に錦を飾ってね!」って、同級生に送り出された日のことをよく覚えています。私は東京で自立して生きる女に憧れていたんです。

 でも、いわゆる就職氷河期世代で正社員にはなれず、ずっと派遣で働いてきました。それでも30代半ばまではコンスタントに仕事はあったし、正社員になるために資格をとったり自分磨きもしたし、それなりに贅沢をしていたと思います。家賃10万のマンションに住んでた時代もありました。その頃、派遣先のサラリーマンと普通に結婚できていたら……。

 32歳から4年間、付き合っていた人はいたんです。だけど36歳のとき、フラれました。二股をかけられていたみたいで、29歳の彼女が妊娠したんだと。私はうまくいってると思ってたし、結婚する気もあったので、ショックでたまらなかった。自分でもびっくりするくらい取り乱してしまって、29歳の女のマンションに押しかけて「殺してやる!」って怒鳴って……。深夜だったんです。近所の人が部屋から来て騒然として、悪いのは彼のほうなのに、なんだか私がオカシイ人みたいになってしまった。

 どうしてあんなことになってしまったのか……。彼にしてみてれば、ちょっとした出来心だったのかもしれません。それから体調が悪くなり、仕事も休みがちに。派遣だから休職もできず、仕事を転々とするようになりました。完全に自信を失っていました。

■お金にこだわったのは、お金に苦しめられてきたから

 真面目にがんばっていれば報われる、って育ってきたんですよ。なのに、お金もないし、仕事も安定しないし、体調も悪い。親も高齢で、こんな私に仕送りを求めるようになり、ますます実家には寄り付かなくなりました。

 今になってみれば、結局、やみくもにがんばっても意味がなかったんだとわかります。キャリアを積み上げていく計画性も足りなかったし。派遣先の役員の愛人になって、社員になった友人がいるんですよ。「世の中戦略的に生きなくちゃ」とよく言っていました。私にはそういう要領の良さもなかったんでしょうね。もちろん、彼女は美人でした。

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン