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香港税関で発見の台湾・シンガポールの合同演習武器が波紋

香港の税関で発見されたものとは?

 香港の税関で、台湾からの貨物のなかに、シンガポール製装甲車両9台や大量の爆発物などの武器類が見つかったことが明らかになった。香港の税関では軍事関係物資や製品の持ち込みは禁止されている。

 香港メディアは当初、中国当局が香港での民主化勢力による暴動を鎮圧するために、秘密裏に持ち込んだのかとの見方も紹介していたが、実はシンガポール軍と台湾軍が台湾で秘密共同軍事演習を行っていたことが判明したことから、中国とシンガポールの外交問題に発展しそうだ。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じたところでは、装甲車両はシンガポールの海運会社のコンテナに入れられており、出発地が台湾の高雄港だった。

 高雄から福建省の厦門港に停泊した際、中国の税関当局者が中身は軍事車両であることを確認したが、そのままコンテナ船は出港し、香港の新開地区・葵涌のコンテナふ頭に到着。

 当初、香港で荷降ろしする予定はなかったが、厦門の税関当局から連絡を受けた香港側が税関検査を行ったという。香港では装甲車や戦車などの輸出入や通過には許可証が必要。違反した場合、50万香港ドル(約730万円)の罰金や禁錮2年の罪に問われる可能性がある。

 これらの装甲車はシンガポール軍所有で、「星光作戦」という名前の台湾での共同軍事訓練に使われた後、台湾側から送り返される途中だった。中国外務省スポークスマンは「我々はシンガポール政府に一つの中国の原則を厳格に守ることを要求する」などと述べて、シンガポール政府を批判。

 これについて、外交専門家は「シンガポールは南シナ海での領海・領土問題で中国と対立しており、これを機に、中国側がシンガポールに攻勢を強めると考えられる」と指摘する。

 さらに、中国は、これによって、南シナ海問題で優位に立つとともに、台湾を一層孤立化させるという「一石二鳥の効果がある」と分析している。

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