コラム

トランプ氏大統領就任の1月20日 海外投資家は混乱を警戒

大統領就任演説がポイントに(トランプ氏Facebookより)

 トランプ氏の米大統領選当選後、米国の株式市場は連日のように過去最高値を更新したが、今後はどのようなシナリオが予想されるのか。海外金融機関の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取締役の宮島秀直氏が解説する。

 * * *
 今後のポイントとなってくるのは、トランプ新大統領による就任演説だ。演説は1月20日の予定で、この演説を契機に、政策の全体像が確認できるようになる、というのがコンセンサスとなっている。

 ただし、海外投資家の見方は微妙だ。そもそもの政策リスクが顕在化する可能性があるからだ。選挙活動を通じて主張してきた、NAFTA(北米自由貿易協定)の見通しや不法移民の排除など数々の保護主義的な政策だけを考えても、現実化すれば社会の混乱は必至。あるいは、これまでの主張を翻して無難な政策に転じたとしても混乱は避けられない、という見方だ。

 世界最大のシンクタンクである、米国ブルッキングス研究所の米国政策を担当するトップアナリストは、私のインタビューに対して、「一部の楽観派は、トランプ氏は大統領として穏健な選択をすると考えているが、仮にそうなれば、これまで熱狂的にトランプ氏を支持してきた、有権者の30%以上を占める白人ブルーカラー層が暴動を起こし、社会秩序が深刻に揺らぐ可能性を考える必要がある」と答えている。

 ブルッキングス研究所は、選挙前に最もトランプ大統領の可能性を高く予測していたシンクタンクのひとつである。また、前述の見方は、民主党系のブルッキングスだけでなく、共和党系のカーネギー研究所や戦略国際問題研究所といったシンクタンクにも散見され、投資家に共有されつつある。

 たしかに、経済政策では、法人・個人の減税や、金融機関を規制する『ドッド=フランク法』の撤廃など、ポジティブな政策があるが、多くのシンクタンクが想定しているトランプ・リスクは外交政策である。外交政策によって経済がガタガタになるというシナリオだ。このシナリオは、トランプ政権が発足して以降、常に念頭に置いておくべきだろう。

マネーポスト2017年新春号

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン