コラム

JR九州の本当の実力 実はJR各社の中でも成長性は高い

不動産事業が成長を牽引(同社HPより)

 2016年10月25日に新規上場を果たしたJR九州(九州旅客鉄道)。すでに上場しているJR東日本、JR東海、JR西日本と比較して、バリュエーション(株価価値)面においてはさして割安感はないといわれるが、はたして投資する価値はあるのだろうか。

 投資情報サイト「IPOジャパン」編集長・西堀敬氏によると、JR九州には、「個人投資家が投資したくなるインセンティブがある」という。それが株主優待だ。西堀氏はこう解説する。

「JR各社とも自社営業路線内の乗車券や特急券が割引になる優待があります。だが、その割引率は各社で異なり、たとえばJR東海は10%引きなのに対して、JR九州は50%引きで、しかも都内の金券ショップでも容易に現金化することができます。実際に“配当+優待買い取り額利回り”を計算すると、JR九州がダントツで高くなっています」

 一方で、他のJR各社と比較して成長性を疑問視する声もあるが、実はアベノミクス開始以降の利益成長率もJR九州が突出して高いのだという。

「その要因としては、不動産事業への注力が奏功し、本業の運輸事業の収益に頼らない企業体質になっている点にあります。2016年3月期決算で運輸事業は約100億円の赤字でしたが、不動産事業は約200億円の黒字だったことがその証左です」(西堀氏)

 JR九州の全売上高の中で鉄道運輸事業の占める割合は4割弱。不動産事業は約3割を占める。投資家の中でも成長性に限界があるとの見方が一般的なようだが、今後の不動産事業の成長次第では、さらに業績を押し上げる可能性もあるだろう。

マネーポスト2017年新春号

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