年末になるとテレビなどで、オーケストラが演奏するベートーベンの交響曲「第九番」を耳にする機会も多いだろう。とはいえ、実際にオーケストラのコンサートに足を運んだことがあるという人は少ないはず。そこで、オーケストラ初心者でも存分に楽しむためのポイント専門家に聞いた。
まずは、どんな演奏会に行けばいいのだろうか? もちろん、好きな作曲家や曲で選ぶのがいちばん。もしくは、自分に合った場所や時間で選ぶのもいいだろう。読売日本交響楽団(以降、読響)制作部主任の大久保広晴さんはこう話す。
「読響の場合、平日夜はつう好みの大曲を演奏することが多いのですが、休日の午後のマチネーシリーズでは気軽に楽しんでもらえるようなプログラムが多くあります。たとえていうなら家族や友達とふらっと立ち寄れるというものも少なくないので、初心者向きともいえます」
座席はどこを選べばいいのだろうか。音を楽しむなら、1階の15列目くらいか、2階の前列がおすすめと読響コンサートマスターの小森谷巧さん。
「ホールによって違いますが、その辺りの席は音がよく聴こえるように作られていることが多いようです」(小森谷さん)
また、席によって違った楽しみが味わえるとも。
「最前列なら指揮者の表情や演奏者の息遣いも感じられますし、天井に近い2階の後ろの席なら会場全体が見渡せます。いろんな席を試してみて、自分好みの場所を見つけてみるといいでしょう」(小森谷さん)
チケットの料金は、オーケストラの規模やレベルによってばらつきがある。定期演奏会の場合は、S席で7000~9000円の場合が多く、例えば読響のある日の土曜のマチネーシリーズの場合、S席7500円、A席5500円、B席4500円、C席3500円と価格の差も大きい。もちろん、場所も全く違っているので、チケットセンターやコールセンターで座席がどの辺りかを確認する方がよい。
演奏会は、平均して2時間。短いものでは1時間半の場合もあるが、約50分演奏して15~20分の休憩を挟み、後半40~50分演奏する場合が多い。
なお、小森谷さんが所属する読響は、12月26日には『読売日本交響楽団「第九」特別演奏会』が東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)にて開催される。料金はS席9500円ほかとなっている。
※女性セブン2017年1月5・12日号