毎年、年の瀬になると街のあちこちで耳にするベートーベンの交響曲『第九番』。ちょっと敷居が高い気がするものの、この時期になると、いつかオケデビューしたいと思っている人も少なくないよう。そんな人のために、オケの豆知識をご紹介。読売日本交響楽団制作部主任の大久保広晴さんに聞いた。
素朴な疑問。演奏中、楽器が壊れたらどうするのだろう。
「バイオリンの弦が切れることは多いですね。私は熱演タイプなので年5~6回は切れます(笑い)。その場合は、後ろの人と自分のバイオリンを交換し、後ろの人はさらにその後ろの人と交換し、というようにバイオリン・リレーをして、最後はいちばん後ろの人が舞台裏に行って、弦を取り換えて戻ってくる。その時間は、約5分です」(大久保さん)
さらに、演奏する楽器によって性格は違うようだ。
「バイオリンはいろいろな音色を出すせいか、繊細な人が多いですね。ビオラは温かみのある音を出すので、穏やか。コントラバスは低音で支えるため、縁の下の力持ち的な感じの人が多いし、トランペットは音色に存在感があるので、目立ちたがり屋が多いかもしれません(笑い)」(大久保さん)
※女性セブン2017年1月5・12日号