中国グローバル化研究センターと中国社会科学文献出版社が共同で発表した「中国留学発展報告2016」によると、2015年度における中国人の海外留学生数は126万人となり、世界の海外留学生総数の4分の1に達し、世界一の留学生大国となったことが分かった。
この理由として、中国の場合、両親が子供に積極的に留学を勧めており、学費などの留学費用に制限を付けない傾向が強いことが挙げられるという。このため、ネット上では、「子供に米国などの外国籍をとらせて、両親は自分も海外に移住しようとしているためだ」や、「だから、留学した子供たちの帰国者は少なくなっているのだ」などの書き込みが目立つ。
調査によると、中国人の留学先は米国、カナダ、英国などの英語圏が最も多く、とくに米・カナダ両国の留学生総数のうち、中国人留学生数は3割以上を占めている。また、中国人留学生の特筆すべき点は学費などの留学費用について、あまり考慮していない点だ。
調査では、「学費がとても重要」とした中国人留学生は全体の29%で、「生活費がとても重要」と答えたのは全体の14%だった。
これについて、ある研究者は中国共産党機関紙「人民日報」に対して、「中国の家庭が自分の子供への教育投資をますます重視することを表しており、中国人学生が留学する際、より多くが奨学金などよりも、両親などからの資金援助に頼っているという事実が浮き彫りになっている」と指摘している。
中国では自分の子供を海外に留学させて、学位を取らせると同時に、その国の永住権や国籍を取得させ、子供を通じて海外の不動産などを購入したり、外貨で貯金させるなどの傾向が強い。
このため、ネット上では「留学などの子供への投資は、最終的に自分への投資にもなるようにしており、不正な手段で、中国内の資金が海外に流出している。また、子供の戸籍を利用して、海外移住するなどの党幹部も多い」などといった専門家の指摘が紹介されている。