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ヒクソン☆高田氏 「芥川賞作家・西村賢太は、私だ」

20年間で3000万円以上使ったというヒクソン☆高田氏

 新聞・雑誌がこぞって書評特集を組む時期だが、世の中には意外な読書家たちがいる。平凡とは真逆の人生を歩むアウトローの人々は刑務所の中で、ある人は趣味の延長で、人生を変えるような本に出会っていた。カリスマ風俗客のヒクソン☆高田氏が感銘を受けた「愛読書」はいったいどんな本なのか。

 25歳で風俗デビューして以来、20年間で3000万円以上の大金を注ぎ込み、「風俗の善し悪しを知り尽くした男」として経営者からアドバイスまで求められるヒクソン氏。その半生と重なるというのが第144回芥川賞の『苦役列車』(西村賢太・著/新潮文庫/400円・以下価格は税抜き)だ。

「稼いだ金のほとんどを風俗と酒に使うクズ男の物語ですが、そんな自分とそっくりな男の物語が芥川賞を獲り、さらに作者の西村さんが受賞後の会見で、『そろそろ風俗に行こうかなと思っていた』と言い切った。“風俗に走るのはつまらない男だ”という世間の先入観を変えました。いままでコソコソと風俗に行っていた知り合いも、堂々と宣言して行くようになった」(高田氏)

 愛読書も風俗関係というヒクソン氏が、同輩に薦めるのは『10人のワケありな風俗嬢たち』(吉岡優一郎・著/彩図社文庫/619円)。事情を抱えて働く風俗嬢へのインタビュー集だ。

「風俗嬢への尊敬の念が強まります。風俗嬢の多くはワケありで、3回くらい通うと身の上話をされるケースが多いですが、本書は風俗バカの僕でも驚く衝撃的なエピソードばかり。彼女たちの微笑みの裏側にある素顔をぜひ知ってほしい」(高田氏)

※週刊ポスト2017年1月1・6日号

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