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91歳の現役最年長サッカー記者、1978年までW杯取材費は自腹

特攻隊で生き残って現役最年長サッカー記者へ(賀川浩氏)

 長生きは本当に「めでたい」ことなのか。歳を重ねれば体の不調や気力の落ち込みを実感することも増える。各界で活躍を続ける90代は、自らの“老い”とどう向き合い、折り合いをつけているのか──。

 週2回、自らの資料を寄託した「神戸賀川サッカー文庫」を訪れる「現役最年長サッカー記者」の賀川浩氏(91)。本誌記者の質問に大学ノートを開き、固有名詞や地名をひとつひとつ記して丁寧に説明してくれた。

 * * *
 90歳になってから、サッカー関連の資料や蔵書を神戸市立中央図書館に寄託しました。ボランティアの協力もあり、館内のスペースに「神戸賀川サッカー文庫」として陳列しています。

 若い頃にフットボールで体を鍛えて、今も3食しっかり取る。仲間たちの配慮もあり、安心して生活しています。

 人生を振り返ると、サッカーが大好きでスポーツ紙の記者になり、大阪編集局長まで経験し、90歳を超えた今もフリーとしてサッカーの記事を書いている。これ以上のことはありません。欲を言えば、もう少しお金があればいいけど(笑い)。

 日本でサッカーが人気になるずっと前から、世界中で愛されるスポーツが日本で流行らないのはおかしいと言い続けてきました。あらゆる日本のスポーツが変わった1964年の東京五輪でも、唯一チケットが余ったのがサッカーだったんです。

 サンケイスポーツ編集局次長だった1974年、初めて西ドイツのワールドカップを取材しました。なぜ取材が必要かを会社に説明することから始まり、給料は出たものの費用はすべて自前でした。当時、朝日新聞は社費で取材に来ていましたが、読売新聞の記者は私と同じく自費でしたね。

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