今回の緊急集会でも、自民党の穴見陽一氏や公明党の上田勇氏など与党の衆院議員が、それぞれ受動喫煙防止対策の重要性を強調しながらも、規制強化のあり方については、「現実に寄り添った形で」「ケース・バイ・ケースで柔軟に」と熟考を促す。
「喫煙者の自由権に目を向けた場合、あまりにもバランスを欠いたものなのではないか」(穴見氏)
「個人店舗の経営に支障をきたすことのないように、十分に考えていかなくてはならない」(上田氏)
そして、遅れて駆けつけた自民党の石破茂議員は、歴代総理大臣が嗜んだたばこの銘柄や、自身も長年の愛煙家であることを打ち明けたうえで、こんな持論を述べた。
「(喫煙室設置など)現実的な議論をしていると、『経済的負担をみなさんにお願いするよりも、全面禁煙にしたほうがラクじゃないですか』となる。
でも一番のポイントは、皆がそれぞれ持っている楽しみや価値観を、いかに他人に迷惑をかけることなく実現できるか。これが知恵の出しどころなのであって、『みんなやめちゃえ』というのは、そんなに知恵のある人のいうことではありません」
会場となった都内の会議施設は、加盟店舗の経営者ら約550人で立ち見がでるほどの熱気に包まれ、「サービス業に対し、一律に『原則建物内禁煙』を課すことなく、これまで取り組んできた業界の自主的な取り組みについて、一層の理解と支援と賛同を求める」との決議を採択した。
すでに14府県の地方自治体でも、事業者の経営の圧迫を懸念した請願書が提出されているが、塩崎恭久厚労大臣は1月13日の会見で、〈受動喫煙のない社会に向けて必要な準備を行なうということで、ご理解をいただきたい〉と話し、あくまでも1月20日に召集される通常国会に、法案提出をゴリ押しする構えを見せた。
公的施設にもサービス業施設にも一律の規制をもうけようとしたことから、強い反発があがっている受動喫煙防止の強化案。このままでは、それぞれが行ってきた分煙対策などの自助努力が台無しになりかねない。