国際情報

【未来予想図】米中露のすべてと日本が軍事同盟を結んだら

不確実な時代、何があってもおかしくない

 日本を取り巻く国際環境が新たなステージに入りつつある。米中露との外交政策を連立方程式で解いた場合、どんな社会が訪れるのか。思想史研究者の片山杜秀氏が未来予想図を描いた。

 * * *
 未来の日本へようこそ!  ここは北海道です。ロシア人の姿が目立つでしょう。実は北海道には多くのロシア軍基地があります。日露安全保障条約が結ばれてそうなりました。

 それを結んだとき、北方四島はついに返還されました。あのときの提灯行列は凄かった。一時期の北海道は極端な過疎化が進み、札幌都市圏以外はインフラを保つことさえ危うくなりましたが、今では基地のおかげもあって全道が潤っています。ロシア側の要望とかなりの費用負担のおかげで鉄道網も復活し、総路線キロ数は二十世紀の旧国鉄時代を凌いでいます。

 では次に沖縄に行ってみましょう。中国人の姿が目立ちますね。沖縄は中国軍基地だらけなのです。日中安保条約が結ばれていますから。大陸や台湾とは海路や空路で密接につながっています。

 えっ、日米安保条約はどうなったかですって。あります。いったん廃棄され、新たな内容で結び直しました。本州には米軍基地が集中しています。

 ここに至るまでは長い紆余曲折がありました。グローバリズムの時代はトランプ大統領の誕生後に急速に終焉し、世界はハッキリとブロック化に向かいました。1929年の世界大恐慌のあと、1930年代には世界の住み分けが叫ばれたでしょう。北アフリカや西アジアにも及ぶ欧州ブロック、ソ連のブロック、アメリカ主導の北米と中南米と東太平洋のブロック、そして日本が主役で西太平洋からインドまでも含む「大東亜共栄圏」。四大ブロックの構想ですね。未完に終わりましたが。

 あれと似たものが21世紀の世界に形成されてゆきました。アメリカ・ブロック、ロシア・ブロック、中国ブロック、そしてイラン・ブロックです。欧州はロシアに、東南アジアは中国に組み込まれ、イスラム圏ではイランが覇権国家になりました。アフリカは各ブロックから収奪されっぱなしで、世界に天然資源と労働力を提供しています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン