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酒、料理酒、みりん、みりん風調味料はどう違う?

意外と知らない料理酒&みりんの基本を解説(写真/アフロ)

“さしすせそ”とは、料理の時、調味料を入れる順番のことで、「さ=砂糖」、「し=塩」、「す=酢」、「せ=せうゆ(昔の表記で“しょうゆ”)」、「そ=みそ」を指す。この順で入れるのには、実は科学的根拠があるんです。“さしすせそ”番外編として意外と知らない「酒」と「みりん」について解説する。

「料理酒」は、塩を2%程度加えて飲めないようにした酒税のかからない食品のことで、「清酒(日本酒)」とは異なる。ラベルに“料理酒”や“醸造調味料”と書かれていたら、それは塩が入っている証拠。料理酒を使う場合は、塩分が含まれていることを考え、塩やしょうゆの量を調整しよう。

 アルコール分が高いので常温で保存しても腐ったり、劣化したりしない。色が濃くなることがあるが品質には影響はない。逆に、みりんを冷蔵庫に入れると、糖分が白く結晶して沈殿することが。

 本みりんはもち米、米麹、焼酎または醸造用アルコールが原料で、醸造して甘みを出している。アルコール度数も清酒並みなので、以前は販売免許がある酒屋でしか購入できなかった。

 飲用の日本酒は、原料の米を削り、真ん中の部分のみを使っているので、雑味のない味わい。一方料理用の清酒は、米の外側部分も使っていて、料理をおいしくするうまみ成分や有機酸などの成分を豊富に含んでいる。飲用とは味が違うのだ。

「酒は“清酒(日本酒)”を、みりんは“本みりん”を指します。清酒を料理に使うと、うまみやコクが増します。また、魚や肉の臭みを消し、やわらかくする効果も」と、キッコーマンの青山秀太郎さん(「」内以下同)。

 本みりんも清酒と同様、アルコールを14%前後含んでおり、いわば、米の甘みを残したまま醸造した“酒”。酒と同様の効果に加え、料理に照り・ツヤと、ほどよい甘みを加えられる。いずれも煮物では、砂糖同様、料理の最初、塩・しょうゆよりも前に加えるのが基本だ(ただし、照り・ツヤ付けでみりんを使う時は、いちばん最後に)。

 では、スーパーなどでよく見られる、“料理酒”、“みりん風調味料”とはどう違う?

「料理酒は、塩分を加えた発酵調味料で清酒ではありません。酒とはみなされないため酒税がかからず、安価なのが魅力。一方、みりん風調味料はアルコールをほとんど含まず、水あめに調味料を加えてみりんのような味に仕上げている調味料。こちらも酒税がかからないので安く購入できます」

 料理酒やみりん風調味料も、使い方は清酒、本みりんと同じだが、調理効果には差がある。お財布具合で使いわけて。

※女性セブン2016年1月26日号

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