和食には欠かせない調味料である「みそ」。みそは、大豆を煮る、あるいは蒸して、麹や塩と混ぜ、発酵・熟成させて作る栄養豊かな発酵調味料。
「大豆には良質なたんぱく質をはじめ、動脈硬化の予防効果がある大豆レシチンや、抗酸化作用が高いサポニンなどが含まれています。そんな大豆をみそに加工すると、これらの栄養素が、大豆を普通に食べる時よりも、より一層吸収されやすくなります。みそは100%天然由来の“サプリメント”ともいえるんです」とは、みそ健康づくり委員会の鈴木亮輔さん(「」内以下同)
さらに料理に使えば、魚などの生臭さを消したり、香ばしい香りをつける、食材を長期保存させられるなどの利点もある。できれば、みそ汁などにして、毎日摂り入れたい。
◆冷凍保存が理想的
みそは常に発酵が進んでいるので、開封後は基本、冷蔵保存。市販のみその上にのっている紙は、みそが空気に触れて変色しないようにするためのものなので、捨てないこと。理想的な保存方法は冷凍。
「みそは冷凍しても凍らないので、すぐ使えます。発酵を止めれば、風味が長期間保たれます」
◆みその原料・麹菌は「国菌」
みそを作る時に大事なのが麹菌。日本で作られるみそに使われている麹菌は、実は、ただの菌ではない。
「みその原料となる麹菌はアスペルギルス・オリゼーといい、これは、国鳥のキジや国花の桜・菊と同様、国のシンボルである“国菌”に指定されています」
和食は日本の文化。それを支えるみそはもちろん、しょうゆや日本酒も、この国菌から造られている。まさに、“日本の宝”といえる。
◆ミックスするとよりおいしい
みそは、1種類で使うより、複数の種類をブレンドすると、まろやかさが出ておいしくなる。例えば、「米みそ×麦みそ」、「米みそ×豆みそ」など。色や原料が全く違うものほど相性がいいという。小さめのパックを買って、大きめの保存容器に組み合わせて入れておくと便利。
◆みそ汁の塩分は気にしなくてヨシ! 心拍数を下げる働きもある!
塩分の摂りすぎで問題になるのはナトリウムだが、カリウムを同時に摂取すると体外に排出されやすくなる。カリウムを多く含むのは野菜や芋類、海藻類のわかめなど。まさにみそ汁の具。
塩分を気にして、みそを控えるよりは、1日1食は、野菜たっぷりのみそ汁を摂ってバランスのよい食事をした方が健康にはいいようだ。
また、みそ汁には副交感神経を優位にし、心拍数を下げる働きがあり、血圧の上昇を抑制し、リラックス効果を与えるという報告もある。
※女性セブン2017年1月26日号