ビジネス

史上最年少で日産「GT-R」の“心臓”を作る女性の仕事ぶり

史上最年少の26歳で「匠候補生」に抜擢

 日本が世界に誇るスーパースポーツカー、日産「GT-R」。ゼロヨン(0~400メートル)の加速では、ポルシェやランボルギーニでさえその後塵を拝し、日本だけでなく、世界中でその性能が評価されている。人類でもっとも足の速い男、ウサイン・ボルトが愛車として選んだクルマでもある。

 そんなGT-Rの圧倒的な加速力と時速300キロ超の高速走行を具現化するのは、3.8リットルの24バルブV型6気筒ツインターボエンジンだ。

 GT-Rはあらゆる面で特別である。通常、量産車のエンジンは工場のロボットが大半の工程を自動で組み立てるのに対し、GT-Rのエンジンは、日産の横浜工場で、ひとつひとつ人の手によって組み立てられている。

 クリーンルーム内で、375の部品を1000分の1ミリ単位で調整しながら組み立てる作業に携わるのは、社内から選抜され、「匠」の称号を与えられた5人の熟練者。ロボットを超える精度の組み立て技能をもつ者たちだ。彼らがそれぞれ1つのエンジンを最初から最後まで組んでいく。

 その匠の下には、現在、5人の「匠候補生」がいる。そのなかに、史上最年少の26歳で匠候補生に抜擢された女性がいる。入社10年目の大竹由希子さん(27)である。

「小さいころから粘土細工などもの作りが好きで、兄の奨めで、兄と同じ工業高校に進学しました」

 大竹さんは工業高校の機械科を卒業した後、日産に入社。完成エンジンの油圧や排ガス濃度などを測定する仕事を経て、試作エンジンを組み立てる業務に就いた。ピストン運動を回転力に変える軸であるクランクシャフトの組み込みやピストン挿入などの工程を担当し、1年弱の間におよそ300基のエンジンの組み立てに関わった。

 その仕事でセンスと前向きな姿勢が認められ、エンジン課の正規従業員約150人のなかから昨年2月に匠候補生として選ばれた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン