「関連するような話なら答えることもありますが、まったく答えを用意していない質問が飛んできたら、『質問通告にありませんから』と言って答えない。それでおしまいです」(高橋さん)
役人が作った原稿を読むだけだから、麻生太郎首相(当時)の「未曾有→みぞうゆう」や、今回の「でんでん」といった読み間違いが起こる。
「原稿を事前に読まない大臣はいませんが、大臣に応じて文字を大きくしたり、ルビをふったりします」
と高橋さん。だが、過去にはこんなケースも。
「自衛隊の戦闘機の『F-18』を『エフ“ボウ”ジュウハチ』と読んだ人がいます。答弁の原稿が手書きだった時代には『十分』を『じゅうはちかたな』と読んだ人も。そういうレベルの国会議員もいたんですよ」(平野さん)
では、安倍首相の「でんでん」のケースは?
「安倍首相は事前に原稿を読み、読み方もきちんと練習する人。『うんぬん』という言葉も前に何回か使っているので、意味は知っていたはずです。ヤジがたくさん飛んできてそっちを見るなど、目を動かして原稿に目を落とした時に、『伝々』と見間違えたのだと思います」(高橋さん)
もちろん、だからといって国会答弁のすべてが原稿通りというわけでもない。
「安倍首相の場合、靖国参拝や野党批判について発言するときは、アドリブの場合がほとんど。議場が盛り上がると、ついつい余計なことまで言ってしまうこともあるようです」(全国紙政治部記者)
ちなみに党首討論だけは事前通告の慣行はなく、項目を確認し合うだけで、丁々発止でやり合うそうだ。
※女性セブン2017年2月16日号