ゴルフをしなかったことが必ずしても大きな理由ではないにしても、両者の個人的な信頼関係が築けなかったことも事実。「もし、習氏がゴルフに興じるだけの余裕があれば、その後の深刻な対立関係にまで至らなかった可能性もある」と同筋は指摘する。
中国では習近平指導部が発足してから、約8800万人の中国共産党員を対象にした新倫理規定を発表し、ゴルフ場が腐敗の温床になるなどとして、実質的に党員のゴルフも禁止。さらに、昨年、中国全土に683カ所あるゴルフ場すべてに当局の検査が入り、122カ所が運営禁止、496カ所が土地の不正利用によるゴルフコースの一部原状回復を命じられるなど、683カ所のすべてのゴルフ場がなんらかの罰則を受けた。これらの厳しい措置は習氏の意向が強く働いているとされる。
4月の米中首脳会談では、ゴルフをめぐる懸念もあながち杞憂ではなさそうだ。