その流出経路は明らかではないが、2013年10月、直筆原稿30枚が北京の中国書画競売会にかけられた。大作家の直筆原稿だけに競りは44回に及び、1207万5000元で競り落とされた。これは中国の文学作品の直筆原稿の値段としては最高額だった。
その事実が2014年1月、中国メディアによって報道されたことで、米国在住の茅盾の3人の孫の知るところとなり、南京市の競売会社に所有権を求めてクレームをつけた。同社は直筆原稿の入手経路や競売先について明らかににしていない。また、茅盾の孫が求めた謝罪などにも応じなかったことから、裁判沙汰になったという。
中国紙「新京報」によると、3月中旬までに、南京の裁判所で3回目の審理が行われており、次回公判で判決が下される見通しだ。その日程は発表されていないが、中国現代文学史上最大の国民作家だけに、裁判への関心は高い。