国際情報

中国現代文学史上最高の作家の原稿が競売、裁判沙汰に

“中国の川端康成”の原稿で一騒動

 中国の現代文学史上最高の作家とされる茅盾(ぼうじゅん=1896年8月12日~1981年3月27日)の直筆の小説の原稿が親族の許可なく中国で競売にかけられ、約1200万元(約2億円)で競り落とされ、米国在住の茅盾の孫3人が中国の裁判所に訴えていたことが分かった。3人の孫は競売会社に謝罪と賠償金50万元(約850万円)などを求めている。

 米国ではリンカーン大統領(1809年2月12日~1865年4月15日)が南北戦争中の1864年に行った演説の直筆原稿が2009年2月、ニューヨークで競売にかけられ、約344万ドル(当時のレートで約3億1200万円)と米国の歴史的な文書として過去最高額で落札されているが、リンカーンに限らず、競売で親族が所有権をめぐってクレームをつけるのはまれで、中国での裁判の行方が関心を集めている。

 茅盾は1920年に中国共産党の前身である上海共産主義小組に参加するなど、中国共産党創立時からの党員。中国現代史と人間の関わりを描いた小説を多く書き、代表作に『子夜』『霜葉は二月花よりも紅く』などがある。茅盾は1949年から1965年まで中華人民共和国の文化部部長(大臣)を務めたこともある。

 日本でいえば、ノーベル文学賞を受賞した川端康成と匹敵するほどの大作家といえなくもない。

 競売にかけられた茅盾の直筆原稿は1958年に書かれた「最近の短編小説を語る」というタイトルで、同年の「人民文学」雑誌第6期に収められている。その直筆原稿はもともと人民文学雑誌社が保存していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン