堀江:ミニマムな暮らしさえ受け入れれば、それでやっていける社会に変わったんです。肉を焼くのがものすごく得意なら「バーベキュー芸人」でいい。100人のコミュニティに1人くらいなら、たぶん成り立ちますよ。
落合:その人はずっと家で肉の研究しているんですよね。小さい頃から肉を観察するのが趣味。でも、そういう人材は小学校に入った時点で潰されてしまう。
堀江:親と教師が才能の芽を摘むんだよね。それで平均的な人間になるよう受験勉強させる。
落合:大学受験は「根性試験」ですから、根性さえあれば受かる作りになっています。でも、そういうスクリーニング(選別)はたぶん人工知能のほうが得意だから、受験も不要になるかもしれない。人間の行動データを集めれば、東大に行けるような根性があるかどうかは小学生のうちにわかってしまう。
堀江:俺は、そもそも大学なんか行く必要ないと思う。いい大学に入ること自体が目的化する人も多いけど、それには何の意味もない。
落合:僕は、子供の教育に関しては、やりたいことを邪魔しないで放っておくのが重要だと思います。
堀江:超優秀なわけでもない教師や親が余計なことを言うのは、子供の将来にとっては本当に不要だろうね。
●ほりえ・たかふみ/1972年生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。株式会社ライブドア元代表取締役CEO。『ゼロ』『本音で生きる』など著書多数。
●おちあい・よういち/1987年生まれ。筑波大助教。メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。著書に『これからの世界をつくる仲間たちへ』などがある。
※SAPIO2017年4月号