新たに副駅名称“首都大学東京荒川キャンパス前”が付された「熊野前」
鉄道各社が続々と導入する副駅名称は新たな稼ぎ口として注目を浴びているが、あくまで副駅名称といった位置づけなので車内や駅構内で副駅名称がアナウンスされることはなく、路線図にも載ることはないという。また、きっぷ・定期券の券面に副駅名が印字されることもない。
多くの人が行き交う駅は、広告媒体としても価値が高い。そうした広告力に着目した企業は昔から存在した。その元祖が三越百貨店。三越は地下鉄建設の費用を負担する見返りとして店の前に駅を開設するように依頼。三越の念願は叶い、昭和7(1932)年に銀座線の「三越前駅」が開業している。正式名称の「三越前駅」は、今般導入が相次いでいる副駅名称とは異なり正式名称。ゆえに車内でも路線図でも明記され、きっぷの券面にも印字される。その広告効果は、副駅名称の比ではない。
現在、副駅名称に甘んじている企業や施設も、いつか正式名称に~と夢見ていることだろう。そして、鉄道各社が新たな収入源として、「駅名」を販売する日がくるのかもしれない。