近頃、動物病院やしつけスクールなどで開かれているという愛犬のための「パピーパーティー」とは一体どういうものなのだろうか? 千葉県の愛犬家の女性から、こんなお悩みが届いた。
「生後5か月のゴールデンレトリバーを飼い始めましたが、ほかの犬が苦手らしく、怖がります。獣医師からパピーパーティーへの参加をすすめられたのですが、それって何? 通わせるべきでしょうか?」(千葉県・亜紀子、42才・パート)
しつけ教室・犬の保育園SKYWAN! DOG SCHOOL代表で、家庭犬しつけインストラクター歴17年の井原亮さんが、パピーパーティーについて教えてくれる。
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最近、ドッグランなどに連れていっても怖がって飼い主の足元から離れなかったり、他の犬に向かって吠え、仲よくできないなど、“犬社会”に溶け込めない犬が増えています。これでは、散歩が苦痛になったり、ほかの犬にかみついたりしかねません。
とはいえこれは犬のせいではなく、ブリーダーなどにより、生後間もなく母犬やきょうだい犬から離され、ペットショップに並ぶのが主流になっているため。
これでは、子犬の時に学ぶべき社会性が身につきません。冒頭のドッグランでの例に代表されるような問題も深刻化し、犬の社会性を育てる場“パピーパーティー”が、必要になってきたわけです。
◆他の犬との触れ合い方やマナーを学ばせる場所
パピーパーティーとは、子犬同士を遊ばせて、他の犬との触れ合い方やマナーを学ばせる会のことです。子犬は他の子犬との遊びを通じて、相手(犬)にどのように接したらいいのか、どのくらいの力で遊ぶのがちょうどいいかなどを学びます。
こういったことは、以前はあまり重要視されていなかったため、パピーパーティーを行っているところはほとんどありませんでした。しかし最近は動物病院やペットショップ・犬のしつけ教室などでも多く開催されています。
◆生後5か月以降の参加は逆効果になることも
パピーパーティーへの参加は、生後3~5か月の“社会化期”に行うのが理想です。たくさんのことに慣れていくこのタイミングで他の犬と触れ合わせ、“犬は怖くない”ということを体験させます。
というのも、7~8か月くらいの時期に恐怖心が芽生えてきます。その時期に、他の犬に無理に慣らせようとすると、“犬=怖い”と認識し、一生犬が苦手になる可能性があります。そうなると他の犬にすぐ吠えるなど、後々しつけが大変に。まれに、パピーパーティーの対象年齢を1才までにしている団体もありますが、これはあまりおすすめできません。事前に見学することも大切です。
パピーパーティーに参加したら子犬を通じて飼い主同士も交流してみてください。情報交換したり、悩みを相談できる犬友達ができるのは飼い主にとっても心強いはずです。
※女性セブン2017年5月11・18日号