春爛漫。キンと冷えたビールやワインがおいしい季節、すぐ出せるおつまみの代表格がカマンベールチーズだ。
カマンベールチーズは、表皮が白カビに覆われ、中がやわらかい小型のチーズ。上品でクリーミーな味は食べやすく人気が高い。一般にスーパーなどで売られている箱入りのものは「ロングライフタイプ」で、いつでも熟成度が一定で品質が安定している。
もともとはフランスのブリーチーズの流れを汲むチーズで、フランス北部ノルマンディ地方のカマンベール村で、製法が確立されたことに始まる。ブリー出身の農婦マリー・アレルによる1791年のレシピが発祥といわれる。
今でも、乳牛のルマンド種を使用し、厳しい規定をクリアした「カマンベール・ド・ノルマンディ」という伝統的製法で作られたカマンベールの木製の容器には、マリーの娘のラベルがついている。1880年、輸送に便利な木箱の発明によりフランス全土、ひいては世界中にカマンベールが伝わり、現在では世界中で製造されている。
家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。
「カマンベールは国産のものもあって手軽に楽しめるチーズです。フライはおつまみの定番ですが、二度挽きしたパン粉を使うと口当たりがよくなります。また、カマンベールのコクはじゃがいもと好相性。子供のおやつにもぴったりです」
◆カマンベールチーズの【準備】
そのまま食す場合は、食べる30分前に乾燥しないようにワックスペーパーかラップで包んで常温にしておくと、チーズ本来の味と香りが楽しめる。カットする際は、包丁を水でぬらしてそっと引くと、切り口がきれいに切れる。保存はワックスペーパーで全体を包み、密閉容器に入れて冷蔵庫へ。余分な水分を吸いつつ乾燥予防になる。
◆カマンベールのフライレシピ
【1】カマンベールチーズ1/2個は三角形に4等分し、冷蔵庫でしっかり冷やしておく。
【2】薄力粉適量をたっぷり押さえるようにしてつけ、溶き卵1個に通し、よく卵液を切って二度挽きのパン粉適量をまんべんなくつける。
【3】すぐに、高めに熱した揚げ油適量でさっと揚げ、油を切り、すぐにいただく。
※女性セブン2017年5月11・18日号