「ナマの日本美術を観に行こう」をモットーに始まった本誌・週刊ポストの“大人の修学旅行”シリーズ。今回は、日本美術応援団長である山下裕二氏(美術史家)引率のもと、モデルで女優の水沢エレナが、建設の進む新国立競技場に隣接する東京・明治神宮外苑の聖徳記念絵画館を訪れた。
山下:ここ聖徳記念絵画館には明治天皇の御一代記を描いた80枚の壁画が収められ、当代一流の画家が描いた優れた絵画に触れることができます。しかも、年中無休なのです。
水沢:作品が大きくて圧倒されます。これほど繊細な絵を、縦3m、横2.7mもの大きなサイズで緻密に表現しています。驚くことに、ほとんどの作品ごとに画家が違います。
山下:76人の画家が、各々与えられた画題に添って史実を踏まえて描いているので、歴史的資料としても評価が高い。
水沢:昨日、画家が主人公の本を読んだのですが、そこには「求められるものと自分が描きたいものは違う」とありました。