ちなみにこうした菓子類は、子どものおやつとしてだけ提案されていたわけではない。1971年の「カール」「ピックアップ」の新聞広告は紙面3分の2面を占拠。ほぼ原寸大と思われる両製品とビールの大瓶の写真が、「どういうわけか夫婦みたいです」「ツーと言えばカー、サクッと言えばゴクンと言う間柄」というコピーとともに掲載されていた。右肩上がりに消費を伸ばすアイテムに乗っかろうという発想は昔も今も同じらしい。
それから50年近くが経ち、食や食まわりの栄枯盛衰も無数にあった。一時は1960年代の倍以上の消費量を誇ったビール消費は1994年をピークに漸減し、当時の数字に近づいている。そして「ピックアップ」はその歴史に幕を下ろし、「カール」も一区切りつけることになった。スナック界でも進む、世代交代。「50にして天命を知る」のは人間だけではないのかもしれない。