──舛添さんが猛批判を受けるきっかけは、政治資金の公私混同、流用問題が週刊誌に報じられたことだと思います。しかし、公私混同という面では石原時代の方がひどかった。なのになぜ石原氏はさほど叩かれず、舛添さんは過剰なほど叩かれたとお考えですか。
「それは石原さんが作家であって、たくさんの版権を持っているから、叩くと商売にならない。私にはそれがないから叩きやすい。マスコミ全体に関していえば、貧すれば鈍すというか、経営的にもゆとりを失っている。だから週刊誌が書けばテレビは後追いばかり。高齢者福祉や憲法問題といった大切なテーマはたくさんあるのに、一番安上がりに部数と視聴率を稼げるということでしょう」
──おっしゃるような面は確かにあると思います。ただ、失礼ながら申し上げれば、石原知事の公私混同は飛び抜けてすさまじかったのに比べ、舛添さんの場合はなんだかセコかった。
「あぁ、みんなと同じような金銭感覚だった」
──だから等身大の怒りが湧く。
「それもあるかもしれませんね」
イシハラとマスゾエ。両者を直接比較することにどれほど意味があるかはともかく、かつて石原都政を取材し、その病巣を垣間見た私は、いまに至る都政の歪みと混乱の原点は石原時代にあると考えている。尋ねてみると、舛添氏も似た認識のようだった。