「蒸し暑かった昨年7月と8月の販売台数は、エアコンが前年比31%増だったのに対して、扇風機は52%増でした。今年も5月から暑い日が続いているので、すでにかなりの台数が売れており、昨年以上の売り上げを見込んでいます。
今年の特徴は、エアコンと変わらない価格帯の扇風機が売れていること。特に1日中エアコンを付けっぱなしでいると体が冷えすぎてしまうという高齢層に支持されています」
◆ひと夏で電気代たった29円
一般的には1万円足らずで売られているものが多い中、高級扇風機は何が違うのか。キーワードは「風質」「節電効果」「デザイン」の3つだという。
前出・奈津子氏によれば、ブームを牽引するのはバルミューダの『The Green Fan』(3万6000円・税別)という。
「同社が開発した二重構造のファンによって、自然なそよ風を再現しています。一般的な扇風機と比べ約4倍の範囲に風が広がり、風の“死角”ができにくい。本体にモバイルバッテリーを搭載しているため、コードレスでの運転も可能で、いつでもどこでも使えます。節電効果も大きく最弱運転で1日8時間使った場合、電気代は90日間で29円しかかかりません」
平均的なエアコンの電気代は、90日で約1万1300円(2016年調査。1日8時間を6~9畳で運転)。3年ほどでもとがとれてしまう計算だ。