「甲子園がかかったゲームでは、延長15回までやるべきやと個人的には思います。投手の肩や肘を守る意向は分かりますが、それを超越したところで、球児は野球をやっています。“普通の野球の要素”で決着を付ける。それやったら負けても選手は納得しますよ」
“見る側”の論理として、過去にあった延長再試合のドラマがなくなり、魅力が半減することを心配する声もあるが、智弁・浪商戦ではタイブレークの戦い方に両校の戦略の違いが現われ、状況に応じた選手のバッティング技術も問われていた。何より、得点の入りやすいタイブレークはジャイアントキリングが起こりやすい。
導入で高校野球がつまらなくなるというのは、杞憂に終わるのではないか。
●取材・構成/柳川悠二(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2017年6月16日号