この「一匹犬政策」については、すでに市民から苦情が起きている。これまで複数の犬を飼っていた場合、登録した1頭以外の他の犬を殺処分しなければならず、「極めて残酷でかわいそうだ」との声が出ており、「あまりにもお役所仕事だ」との批判も出ている。
とはいえ、「一匹犬政策」については、青島ばかりでなく、四川省成都市や黒竜江省ハルビン市、広東省珠海市でも採用されている。ただ、やはり反発が多く、広東省江門市では条例施行からわずか9日後に撤廃に追い込まれた。
このような「一匹犬政策」の背景には、中国での空前のペットブームがある。イヌやネコなどのペットの年間取引は2008年で3千万匹、2012年で1億2700万匹、2015年で1億8000万匹に増加で、今年は2億5300万匹との予想が出ているほどだ。その割には、青島と同様、「ペット飼育のマナーがしっかりとしておらず、近隣住民とのトラブルが絶えず、行政としても取り締まらなればならない状況だ」と同紙は指摘している。